現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常者からインフォームド・コンセントを行い書面にて同意を得た上で30mlのヘパリン採血を行い,単核球をPercollおよびCD14+磁気ビーズにて分離した.GM-CSFとIL-4で6日間培養しDCへと培養,6日目に細胞性免疫誘導型DCを誘導するため,TNF-alpha,IL-1beta, IFN-alpha, IFNgamma, Poly-I:C(Cancer Res 2004, J immunol 2008, J Clin Oncl 2011)を添加,2日間培養した.一方通常型DCとしてTNF-alpha,PGE2,IL-1beta, IL-6を添加,同様に2日間培養,双方のDCをフローサイトメトリーにて表面抗原(CD40,CD80,CD83,CD86)の発現を確認した.その結果,表面抗原の発現に差は認められなかった.その後CD40Lを発現させたL細胞(マウス線維芽細胞)で24時間刺激,上清を回収しELISA法にてIL-12p70の産生を測定し双方の比較を行った.その結果,TNF-alpha,IL-1beta, IFN-alpha, IFNgamma, Poly-I:Cにて培養した樹状細胞で有意に多量のIL-12p70の産生が認められた. 現在は,上記で得られた樹状細胞が有効に細胞性免疫の誘導をきたすことが可能であるかを確認するため,以下の実験を行っている.上記の如く患者血液からPercollにてリンパ球分画を分離し,CD8+T細胞を磁気ビーズにて分離,抗原(ESAT-6)存在下または非存在下にて24時間細胞性免疫誘導型DCまたは通常型DCとともに培養し,7日および14日目に再刺激する.24日目に抗原特異的なIFNgammaの産生をELISPOT法で行っている.その結果,明らかなIFNgammaの産生能の上昇が確認されており,引き続き再現実験を行っている. 計画に比べ遅れている理由としては,結核の患者からの採血が,遅れたこと.また,手技的に安定しなかっことが上げられる.しかし,現時点では安定し,良好に培養を継続できていることから,今後研究が進展することが十分に見込まれる.
|