23価莢膜抗原の多糖体ワクチン(PPV23)は本来,理論的にはT細胞非依存性にIgM抗体のみを誘導するワクチンであるが,免疫グロブリンのクラススイッチ(CSR)を介してIgG,IgA抗体を誘導することをマウスとヒトで確認した.さらにマウス肺由来の樹状細胞(DC)を用いて,CD11b+ DCが,TLRのリガンドとIL-6などの存在下にT細胞非依存性のCSRを誘導するを示した.以上より,PPV23はその成分として含まれるTLRリガンドの刺激と共に特定のサイトカインを産生するDCフェノタイプを介して,CSRを惹起し感染防御に有効な特異的IgG,IgA抗体の産生を誘導する可能性が示唆された.
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