研究課題
PTENは脂質および蛋白に対する脱リン酸化酵素活性を示し、組織微小環境下で活性化される種々のリン酸化シグナルを脱リン酸化することにより負の制御機構を担っているが、肺線維症や肺癌では、PTEN活性の減弱が報告されている。我々は、微小環境で形成されるEMT誘導因子がPTENのC末端リン酸化亢進を介して脱リン酸化活性化を減弱させることを示している。さらに、PTENC末端リン酸化部位修飾(PTEN4A)発現誘導がTGFβ誘導EMTを抑制することも明らかにした。そうした知見に基づき、PTENC末端リン酸化部位を治療標的とした治療戦略を構築することが重要であると考えるに至った。しかしながら、外的PTEN4A遺伝子導入が細胞内発現誘導と同様の効果を示すかどうかの知見は得られていなかった。我々は、adenovirusを用いて外的PTEN4A遺伝子導入を行い、細胞内発現誘導と同様にTGFβ誘導EMTを抑制することの知見を得ることができた。さらに、外的遺伝子導入を具現化するにはできる限り最小限の機能を有した遺伝子導入を行うことが予想外の免疫応答を及ぼす可能性を最小化するために重要であると考えるに至った。PTENの機能解析で、PTENC末端部位はPTENの脱リン酸化活性を示さない一方、PTENのphosphatase domainとC2 domainの相互作用が重要で有ることが明らかになった。
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