研究課題/領域番号 |
24591169
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森本 浩之輔 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (50346970)
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キーワード | 小胞体ストレス / 炎症終息 / 組織修復 / 肺胞マクロファージ |
研究概要 |
マクロファージのcell lineであるRAWcellやJ774cellを用いてtunicamycinで小胞体ストレスを誘導し、アポトーシス細胞の貪食やそれに伴う肝細胞増殖因子(HGF)の産生の研究を行った。結果として、小胞体ストレスによりアポトーシス細胞の貪食は抑制され、HGFの産生も抑制された。これがRhoA依存性であることを、tunicamycinによりROCK活性が上昇してていることや、ROCK阻害剤(Y27632)で貪食が回復することを用いて確認している。しかしながら、アポトーシス細胞の貪食を改善させても、HGFの産生は改善しないことからHGFの産生は貪食そのもに依存しない可能性を考慮して研究を推進している。 このことは、小胞体ストレスが喫煙によって生じることで、正常な炎症終息と組織修復が行われない可能性を示唆しており、治療につながる可能性がある。 また、ストレプトゾトシンを投与することで誘導した糖尿病マウスにおいては、肺胞マクロファージを採集して調べたところ、小胞体ストレスそのものに対する応答(UPR)を調べたところむしろ抑制されていた。これまでの報告とは逆の結果であったので、詳細な検討を加えたところ、UPRのシグナルそのものが阻害されている可能性があり、研究を推進している。 二型肺胞上皮の研究においては、tunicamycinによる小胞体ストレスにより、組織修復に関与するGM-CSFの産生のみならず、炎症性サイトカインも産生が抑制されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの検討において、UPRの一つであるpPERKのウェスタンブロットが上手くいかず、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
喫煙によって肺胞マクロファージに小胞体ストレスが生じることを確認する。 糖尿病マウスにおいて、小胞体ストレスに対して抵抗性が低下していることを細胞のアポトーシスを検討して証明する。 二型肺胞上皮のGM-CSFや炎症性サイトカイン抑制のメカニズムをシグナル伝達などの検討により解明する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遂行が順調であり試薬の使用頻度が、想定していたよりも少なくて済んだ。 これまで証明した事象について、実験回数を増やして信頼度をあげ、研究をより完成度の高いものとする。
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