研究課題/領域番号 |
24591178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
桑野 和善 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40205266)
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研究分担者 |
中山 勝敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40321989)
荒屋 潤 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90468679)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | エクソソーム / アポトーシス / 細胞老化 / オートファジー |
研究概要 |
1.呼吸器疾患の血液・気管支肺胞洗浄液中エクソソームの回収 特発性間質性肺炎、膠原病に伴う間質性肺炎、サルコイドーシス、過敏性肺炎、薬剤性肺炎など代表的な間質性肺疾患患者および慢性閉塞性肺疾患、肺がん、気管支ぜんそくなど疾患コントロールの患者より得た血液、および気管支鏡による気管支肺胞洗浄液を採取し、エクソソームを超遠心法によって回収したところ、解析に必要な十分な量のエクソソームが現在の手法によって抽出できることが判明した。エクソソーム内部に含まれるRNA, protein, DNAなど抽出可能であることを確認した。 (2)エクソソームに含まれるmicroRNAの解析 臨床検体より得られたエクソソームに含まれるmicroRNAアレイによる網羅的解析を行い、各疾患間の相違、疾患の活動性による相違について検討する予定であるが、まだと途中の段階である。。エクソソームに含まれるmicroRNAの中で、アポトーシス、細胞老化、再生に関与するmicroRNAの存在をPCRによって定量し、もっとも有意なmicroRNAについては、上皮細胞と繊維芽細胞の細胞間相互作用のメディエーターとして働いている可能性が高い。上皮細胞と線維芽細胞を培養し、培養上清におけるエクソソームを回収し、中に含まれるmicroRNA, 蛋白の解析を行い、細胞間相互作用や、アポトーシス、老化、オートファジーに働く分子に着目し、エクソソームとしての機能を明らかにするための実験を計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
呼吸器疾患の血液・気管支肺胞洗浄液など生体の体液中より、研究にとって解析可能な質量ともに十分な量のエクソソームを抽出できたことは重要である。特発性間質性肺炎、膠原病に伴う間質性肺炎、サルコイドーシス、過敏性肺炎、薬剤性肺炎など代表的な間質性肺疾患患者および慢性閉塞性肺疾患、肺がん、気管支ぜんそくなど疾患コントロールの患者から広く得られるので、今後呼吸器疾患に対する幅広いアプローチの第一歩が踏み出せたといえる。また、エクソソーム内部に含まれるRNA, protein, DNAなど抽出可能であるので研究手法としても多くの方法が利用できることが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
エクソソームに含まれる含まれるmicroRNA, 蛋白の解析を行い、細胞間相互作用や、アポトーシス、老化、オートファジーに働く分子に着目し、エクソソームとしての機能を明らかにするための実験を計画中である。この実験はこれまでにも実行した手法を用いるため、遂行可能である確率は高い。 さらに、急性肺損傷モデルや、肺線維症モデルを用いて、経時的に血液と気管支肺胞洗浄液を採取し、エクソソームを回収する。エクソソーム内のmicroRNAを網羅的に解析するとともに、アポトーシス、細胞老化、再生に関与するmicroRNAの存在をPCRによって定量し、病態との関連性について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.人検体から得られたエクソソーム内のmicroRNAの網羅的解析 2.マウスの肺損傷、線維化、喫煙による肺気腫モデルより得られた血液、肺胞洗浄液中のエクソソームの回収および解析 3.人検体や動物モデルより得られた結果より選択された標的分子を用いた細胞間相互作用におけるエクソソームの役割の検討
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