研究課題/領域番号 |
24591179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
清家 正博 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30366687)
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研究分担者 |
弦間 昭彦 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20234651)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | トランスレーショナルリサーチ / マイクロRNA |
研究概要 |
本研究は、肺癌特異的な分泌型miRNAである血清miRNAおよびエクソソーム由来miRNAの存在を解明し、肺癌の新規血清バイオマーカーとして臨床応用することを目的としている。しかしながら、そのエクソソーム由来miRNAの同定方法は未だ十分に確立されておらず、また肺癌における報告はほとんどなされていないのが現状である。今年度は、肺癌細胞株培養上清および健常者血清(研究者および共同研究者)からエクソソーム分画のみを抽出し、miRNAを精製する方法の最適化につきまず検討した。種々の細胞の条件設定に加え、超遠心法およびExoQuick Exosome precipitation solution (System Bioscience) を用いた検討で、ExoQuick Exosome precipitation solutionからのエクソソーム分画抽出とmiRNAの精製の最適化に成功した。エクソソーム分画の確認は、CD9/ CD63 Exosome ELISA Kit(System Biosciences)を用いたエクソソームマーカーにて検証を行った。次にそのサンプルから純度の高いmiRNAを精製し、3D-GENE(東レ)による解析にて再現性のあるmiRNA発現解析に成功した。このように、現在までに確立された血清エクソソーム由来miRNAの同定方法は十分に確立されておらず、この同定方法の確立は、今後の研究遂行の当たっては意義が高く、研究の第一段階での目標は達したと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度までに、エクソソーム由来miRNA解析手法の確立に成功しており、研究の第一段階での目標は達したと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に確立したエクソソーム由来miRNA解析手法を用いて、平成25年度は、肺癌細胞株培養上清と患者血清を用いた網羅的解析を行う。①肺癌細胞株30株の培養上清を用いたmiRNA網羅的発現解析を行い、既知の細胞株のmiRNA発現解析データとの対比から、in vitroにおける分泌型miRNAについての意義を検証する。②肺癌患者(肺腺癌、肺扁平上皮癌、健常喫煙者、健常非喫煙者血清各10例ずつ)のエクソソーム由来のmiRNA網羅的発現解析を行い、各群における特異的血清miRNAをスクリーニングする。③バイオインフォマティクスの手法を用いて、細胞上清および患者血清miRNA網羅的発現データを統合解析し、肺癌におけるエクソソーム由来miRNAのメカニズムを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に確立したエクソソーム由来miRNA解析手法を用いて、 肺癌細胞株培養上清および患者血清を用いたエクソソーム由来miRNA網羅的解析を行う. 研究代表者分 102万(平成25年度研究費(95万)と平成24年度繰越研究費(7万)) ①3D-GENE(miRNAアレイ)解析 96万(12万/アレイ×8検体分) ②国内学会出張費 6万(一部データ発表と研究のための情報収集)(10月癌治療学会) 研究分担者分 5万(データ解析のための生化学試薬など)
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