本研究では、ヒト腎組織を電子顕微鏡で評価し腎疾患の進展におけるAutophagyの意義を明らかにした。年齢に伴いPodocyteのAutophagyの増加が見られた。微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)においては足突起融合率、尿蛋白と有意な相関が認められた。膜性腎症や MCNSではIgA腎症やループス腎炎など増殖性疾患に比しAutophagyの出現が有意に増加した。腎組織において恒常的にある一定レベルのAutophagyが生じているが、糸球体ではPodocyteに出現頻度が高く、なかでもMCNSではPodocyteのAutophagyと尿蛋白、足突起癒合率が連関している事が示された。
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