研究課題
今年度は、腎障害の病態において重要な役割を担っている腎線維化と鉄との関連性について解析した。しかしながら、糖尿病腎症モデルdb/dbマウスの腎臓では、腎線維化がみられなかったため、線維化モデルとして一側尿細管閉塞誘発性腎線維化モデルマウスを用いた。8週齢のC57BL6/Jマウスを用いて、左側尿細管閉塞(UUO)群と偽手術群(sham)群を、それぞれvehicle投与もしくは鉄キレート剤deferoxamine投与群したもので比較・検討した。術後7日目にて、UUO群では、UUO腎の重量低下がみられ萎縮を呈していたがDFOはそれを改善した。UUO腎では病理組織学的に腎間質線維化を呈し、コラーゲン発現ならびに間質へのマクロファージ浸潤が認められたが、これらはDFO投与によって抑制された。炎症性マーカーであるMCP-1、IL-1beta、またalpha-SMAとfibronectinの発現増加もDFOによって低下した。UUO群で線維化経路であるTGF-beta-Smad3は促進されていたが、DFO投与にて抑制された。UUO腎では組織鉄量は増加しており、鉄輸送体関連タンパクDMT1, FPNの発現増加、TfR発現低下がみられ、鉄保持タンパクフェリチンの発現は増加した。これらの鉄輸送・保持タンパクの発現が尿細管優位であることを確認した。
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