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2013 年度 実施状況報告書

CKDの進展に係わるセリンプロテアーゼ群の網羅的同定とその分子機盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591206
研究機関熊本大学

研究代表者

北村 健一郎  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (10304990)

キーワードセリンプロテアーゼ / 慢性腎不全 / タンパク尿
研究概要

昨年度の研究成果で、慢性腎不全モデルラットの腎組織において活性が亢進するセリンプロテアーゼを発見した。本年度はこのセリンプロテアーゼが慢性腎不全の病態進展に関与しているかどうかについての検討を行った。慢性腎不全モデルラットの腎組織を硫安沈殿およびイオン交換クロマトグラフィーによって粗分画し、目的とするセリンプロテアーゼの存在する分画をzymographyによって確認した。その後、その分画を用いて既存のセリンプロテアーゼ阻害薬による活性抑制実験を行った。その結果、アプロチニンやメシル酸カモスタットなどのセリンプロテアーゼインヒビターによってそのセリンプロテアーゼの活性が抑制されることが確認された。また、メシル酸カモスタットが濃度依存的にこのセリンプロテアーゼ活性を抑制することも確認した。活性抑制効果を持つ薬物のうち、メシル酸カモスタットのみが経口投与可能であったため、続いてin vivoにおける慢性腎不全進展抑制効果について検討を加えた。9週齢のSDラットを用いて5/6腎摘を行い、コントロール群およびメシル酸カモスタット投与群に分け、12週間観察を行った。その結果、メシル酸カモスタット群において著明にタンパク尿が減少し、血清Cr値の上昇も抑制されていることが明らかとなった。血清Cr値の上昇抑制は10週目の時点で観察されたが、このタンパク尿減少効果は8週目の時点で観察されていた。すなわちこのセリンプロテアーゼがタンパク尿の発症抑制に関与していることが示唆された。今後はこのセリンプロテアーゼがタンパク尿発症にかかわる機序について検討を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

慢性腎不全の進展にかかわるセリンプロテアーゼとその阻害剤を見出し、in vivoにおいて慢性腎不全の進展抑制効果が確認できたので、おおむね順調に研究は達成されていると考えております。

今後の研究の推進方策

今後は、今回同定したセリンプロテアーゼがどのようなメカニズムでタンパク尿の発症に関与しているかと同定することによって慢性腎不全の進展抑制のための治療法開発につなげたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] The antifibrotic effect of a serine protease inhibitor in the kidney2013

    • 著者名/発表者名
      Morinaga, J., Kakizoe, Y., Miyoshi, T., Onoue, T., Ueda, M., Mizumoto, T., Yamazoe, R., Uchimura, K., Hayata, M., Shiraishi, N., Adachi, M., Sakai, Y., Tomita, K., and Kitamura, K.
    • 雑誌名

      Am. J. Physiol. (Renal Physiol.)

      巻: 305 ページ: F173-181

    • DOI

      10.1152/ajprenal.00586.2012.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Urinary prostasin in normotensive individuals: correlation with the aldosterone to renin ratio and urinary sodium2013

    • 著者名/発表者名
      Olivieri, O., Chiecchi, L., Pizzolo, F., Castagna, A., Raffaelli, R., Gunasekaran, M., Guarini, P., Consoli, L., Salvagno, G., and Kitamura, K.
    • 雑誌名

      Hypertens. Res.

      巻: 36 ページ: 528-533

    • DOI

      10.1038/hr.2012.232.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enhanced angiotensin receptor-associated protein in renal tubule suppresses angiotensin-dependent hypertension2013

    • 著者名/発表者名
      Wakui, H., Tamura, K., Masuda, S., Tsurumi-Ikeya, Y., Fujita, M., Maeda, A., Ohsawa, M., Azushima, K., Uneda, K., Matsuda, M., Kitamura, K., Uchida, S., Toya, Y., Kobori, H., Nagahama, K., Yamashita, A., and Umemura, S.
    • 雑誌名

      Hypertension,

      巻: 61 ページ: 1203-1210

    • DOI

      10.1161/HYPERTENSIONAHA.111.00572.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Renin angiotensin antagonists normalize aberrant activation of epithelial sodium channels in sodium-sensitive hypertension2013

    • 著者名/発表者名
      Ushio-Yamana, H., Minegishi, S., Ishigami, T., Araki, N., Umemura, M., Tamura, K., Maeda, E., Kakizoe, Y., Kitamura, K., and Umemura, S.
    • 雑誌名

      Nephron Exp. Nephrol.

      巻: 122 ページ: 95-102

    • DOI

      10.1159/000348660.

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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