研究概要 |
腎臓欠損マウスの維持・繁殖 Hs2st1遺伝子をCre酵素依存的に欠損できるマウスをEUCOMM由来のES細胞を用いて作製した(Hs2st1 flox/flox)。このマウスをまずFLP発現マウスと交配させることのよりFRTカセットを除去し、その後βアクチンプロモーター制御下で全身でCre酵素を発現するマウスと交配し、全身でHs2st1遺伝子をヘテロで欠損したマウス(Hs2st1+/-)を作製した。Hs2st1+/-×Hs2st1+/-の交配ペアで得られたHs2st1-/-は腎臓が欠損しているかあるいは低形成であった。そのためHs2st1-/-は生後間もなく死亡した。ジーントラップ法で作製されたHs2st1遺伝子欠損マウスは腎臓が欠失していることが報告されている(Genes Dev, 1998)。今回我々の得た結果は、この報告と同様の所見であった。 我々は、このHs2st1+/-×Hs2st1+/-の交配ペアはC57BL/6J系統で維持していたが、産仔数が少なかった。そのため、系統維持が困難であった。現状では系統の断絶も危惧される。そのため、系統維持・繁殖に有利なBDF1系統との交配を含めて工夫を重ねているところである。 野生型マウスのiPS細胞のHs2st1-/-マウス胚への注入 マウス繁殖状況に合わせて、胚盤胞補完法による野生型iPS細胞の注入を行った。東大中内研との共同作業である。現在のところ、いまだ再生腎臓は得られていない。
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