研究概要 |
平成24年度は糖尿病患者におけるビタミンD受容体遺伝子FokIと腎機能及び血清の25OHD、1,25(OH)2Dとの関連性を明らかにするために410名の糖尿病性腎症の患者を対象に解析を行った。その結果、①腎機能とFokI遺伝子多型には明らかな相関性はみられなかった。②eGFRと1,25(OH)2D濃度、25OHD濃度との関連性がみられた。③1,25(OH)2D濃度とeGFRとの関連性はFokICC+CT(r=0.75)においてFokITT(r=0.64)よりも明らかであった。今回、我々の研究においては1,25(OH)2D濃度とeGFRにおける関係性はFokICC+CT群においてFokITT群よりも強く認められた。すなわち、同程度の腎機能ではFokITT群において1,25(OH)2D が高値であり、 VDR FokI多型 が、1,25(OH)2Dの代謝に影響を与える可能性がある。本研究の対象患者を今後、数年間観察し、心血管イベント、透析導入などのイベント及び腎機能の推移を確認中である。 平成25年度は、透析患者において25OHDはBMIの関連が明らかになったので、透析患者のコフォートを用い、筋肉量や糖代謝とミネラル調整因子の関連を明らかにする研究に着手した。現時点ではFGF23やKlothoと筋肉量や糖代謝との関連性は見いだせなかった。そこで保存期腎不全糖尿病患者、透析患者において探索的にコピー数多型の検討を行ったが、糖代謝および筋肉量と関連するアンドロジェンが候補分子として選択された。
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