研究課題/領域番号 |
24591215
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
横山 啓太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70211654)
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研究分担者 |
浦島 充佳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80203602)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | CKD-MBD / Vitamin D / FGF23 / Carbohydrate Metabolism |
研究実績の概要 |
本研究は、糖尿病腎症進展にリン代謝がどの様に関わっているかを明らかにするための研究である。リン代謝を制御するビタミンDとFGF23に着目して検討を行った。糖尿病腎症進展には、FGF23の上昇と、それに伴う活性型ビタミンDの低下が、密接に関連することが明らかになってきている。 平成24年度は、我々は、糖尿病腎症患者400例の前向きコフォートを用いて、ビタミンD受容体のFokI遺伝子多型が腎機能増悪と関連することを報告していた(Yokoyama K . PLoS One 2012;7(2) e51171.)。 平成25年度、我々は、筑波大との共同研究で新規ビタミンD類似化合物が腎臓の線維化抑制をすることを報告し、特許申請を行った。(置換ジフェニルメタン酸誘導体を含有する医薬組成物、特願2009-057265)(Ito I, Yanagisawa J, Yokoyama K, JCI.2013;123(11):4579-4594.)。加えて、透析患者においてビタミンD値と握力との関連を検討した。両者は正の相関を認めていたことから、リン代謝と運動との関連が新たな研究テーマとなっている。 平成26年度さらに、糖尿病腎症患者でFGF23を低下させる化合物としての新規P吸着薬であるクエン酸第二鉄の可能性を検討した。新規P吸着薬であるクエン酸第二鉄が、慢性腎臓病患者において、血清Pレベルだけでなく、腎機能低下の予知因子である血清FGF23レベルを低下させることを明らかにした(Yokoyama K, CJASN 2014;9(3):543-52)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験、ミネラル代謝調整薬剤の創製、糖尿病腎症患者400例と透析患者1000例の前向きコフォートを実施と包括的に病態を検討し、一定の効果を上げている。 現在、前向きコフォートで得た臨床データを元にして、コピー数多型による探索的に病態解明を行っている。既に糖尿病で透析に至っていない患者と透析施行中の患者のコピー数多型のパターンが異なっていることを確認している。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病腎症進展にリン代謝がどの様に関わっているかを明らかにするため、糖尿病腎症患者400例のBio-Plex法を用いた検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在進行中のコフォートを続け、観察終了時に探索的に関連分子の測定を行うため。
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次年度使用額の使用計画 |
透析患者と糖尿病患者のコフォートを続け、生命予後、腎症進展あるいは糖代謝と、CKD-MBD関連性を明らかにする。
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