研究課題/領域番号 |
24591219
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
湯澤 由紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00191479)
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研究分担者 |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10362253)
林 宏樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10378086)
秋山 真一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20500010)
長谷川 みどり 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (40298518)
日下 守 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40309141)
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60338217)
佐藤 和一 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90508920)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | AKIバイオマーカー / メタボローム解析 / 腎移植 / AKI: acute kidney injury / 急性腎傷害 |
研究概要 |
(研究項目1)腎移植実施時の提供者および受腎者について、血液および尿を経時的にサンプリングし、CE-MS によるメタボローム解析に供した。得られたメタボロームプロファイルデータを用いて術後に各種腎機能障害を発症したグループと発症しないグループの代謝物レベルでの差異をメタボロームディファレンシャルディスプレイ法により相互比較を行った。特に、術前の血液(提供者は尿も)メタボロームプロファイルから移植後の腎機能障害の発症と強い相関を示す代謝物をスクリーニング、検証実験の結果、抽出された代謝物を腎移植後腎機能障害の発症リスク評価用バイオマーカー候補分子とした。 (研究項目2)腎移植後腎機能障害の病態鑑別用バイオマーカー候補分子のスクリーニングを行った。特に、移植後腎機能障害が免疫拒絶反応に起因するものか、免疫抑制剤による薬剤性AKI なのか、を正確に鑑別するためのバイオマーカー候補分子の検索を重点的に行っている。具体的には研究項目1で得られたデータを(1)腎障害非発症グループ(2)免疫拒絶反応性腎障害グループ (3)薬剤性AKIグループ (4)虚血性AKIグループおよびその他AKIグループに分けて、メタボロームディファレンシャル法により相互比較し、各病態と相関の強い代謝物(群)を病態鑑別用バイオマーカー候補分子として抽出を試みている。さらに、病態鑑別用バイオマーカー候補分子のスクリーニングをより効率的に行うために、非腎移植時の各種AKI 患者サンプルのメタボロームプロファイルについても併行して解析するとともに、申請者らが既に構築した虚血性AKI の経時的メタボロームプロファイルデータベースも活用して、腎移植後の腎機能障害の病態鑑別に最適化した診断プロトコルのプロトコルタイプの構築を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(研究項目1) 腎移植後腎機能障害の発症リスク評価用バイオマーカー候補分子のスクリーニング 腎移植患者の尿・血液サンプルについてCE-MSによるメタボローム解析を行った。 (研究項目2) 腎移植後腎機能障害の病態鑑別用バイオマーカー候補分子のスクリーニング」 メタボロームディファレンシャルディスプレイ法による各種合併症に特徴的なメタボロームプロファイルの抽出を試みている。さらに非移植時の患者サンプルについても並行して解析に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
(研究項目1)腎移植後腎機能障害の発症リスク評価用バイオマーカー候補分子のスクリーニング:より多くのデータを得るため、移植時の提供者および受腎者について血液・尿のサンプリングを継続する。 (研究項目2)腎移植後腎機能障害の病態鑑別用バイオマーカー候補分子のスクリーニング:引き続き非腎移植AKI患者の尿・血液のサンプリングを行い、研究項目1で得られたデータを用いさらなる結果の検証(バリデーションスタディ)を実施する。 (研究項目3)腎移植後腎機能障害発症の網羅的代謝物レベルでの病態メカニズムの理解:研究項目1および2で得られた各種病態の経時的メタボロームプロファイルデータをデータマイニングして代謝物パスウェイマップの作製を試みる。さらに、各種腎機能障害に共通するCommon pathway と各種腎機能障害に特異的なSpecific pathway を同定し、将来的に、移植後の腎機能障害抑止薬や腎保護剤の開発に寄与する基礎データの収集を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
経費の80%を研究に使用する消耗品に計上した。すなわち、本研究では、AKIに関連する尿中・血中バイオマーカーとしてミッドカイン・L-FABP・KIM-1・NGALなどをコントロールマーカーとして測定する。 このための費用として、バイオマーカー捕捉用抗体および検出用抗体、検出用試薬を中心に、バリデーション用のELISA測定試薬, Western blotting用試薬、プラスティック類、酵素・試薬類などを購入する。 また経費の20%を各種調査・研究の打合せ、研究成果の発表に関する国内外の学会のための旅費・及び論文作成費用として計上した。
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