研究課題/領域番号 |
24591220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70449891)
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研究分担者 |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 線維化 / 細胞周期 / 酸化ストレス |
研究概要 |
[研究目的] 酸化ストレス変化によるWnt/β-cateninシグナル活性化後の遺伝子発現変化の検討及びG2/M期誘導細胞の線維化促進因子発現変化の検討を行う [方法・結果] 継代数5-8代の正常ヒト近位尿細管培養細胞を用いた。ダブルチミジンブロックを行い、細胞周期をG1/S境界に同調後、10 ng/mLのリコンビナントヒトWnt3aで細胞を刺激した。同時にJNK活性化を引き起こす濃度のLY83583刺激を同時に行う群と行わない群の2群を用意し、16時間後に細胞を回収し検討を行った。LY83583による酸化ストレス存在下においてのみ、細胞周期関連遺伝子のうちG2/M期への誘導遺伝子の発現が増加した。また、G2/M期へ誘導された細胞では、線維形成性サイトカインである間葉系細胞増殖促進因子のトランスフォーミング増殖因子beta (TGF-β) の発現、結合組織成長因子 (CTGF) の発現が増加していることをquantitative real-time PCRで確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた過酸化水素水の刺激では、JNKの活性化が弱く、FOXOのリン酸化が生じなかった。このため、新たな酸化ストレス刺激因子を探索する実験が必要となった。このため、当初計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れているin vitroの実験を行う。今年度の研究予定であったFOXOとcateninとの複合体形成の確認がまだ行えていない。実験系は確立しているので、可及的速やかに実験を行う。また、当初の計画に従い、マウスを用いたin vivo実験を開始する。酸化ストレスの亢進する内皮型一酸化窒素産生酵素 (eNOS) 欠損マウス、NF-E2-related factor 2 (Nrf2) 欠損マウス、酸化ストレスの軽減するGTPシクロヒドロラーゼ1遺伝子 (GTPCH1) 過剰発現マウス、Kelch-like ECH-associated protein 1 (Keap1) 欠損マウスを用い、これら遺伝子改変マウスに腎線維化モデルである尿管結紮モデルを作成する。このときのWntシグナル伝達系変化、G2/M期細胞の変化と腎線維化の関連について検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験計画の遅れにより、実験予定であった免疫沈降によるFOXO蛋白検出実験が行えなかった。このため、Western blot関連試薬の購入に遅れが生じ、次年度使用額が生じた。これは、25年度請求額と合わせ、Western blot関連試薬購入費などに使用する。
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