生検腎組織を用いて、IgG4関連腎臓病(IgG4-RKD)病変は、Th2とTregが中心的に働いて創出している病態であることを明らかとした。認められるサイトカインパターンは、慢性寄生虫感染症における宿主免疫反応と同様であり、Th2反応主体のアレルギー性疾患発症を寄生虫感染が抑える免疫反応である。一方ヒト剖検症例腎臓では、病変部は動脈周囲炎の形態を呈していた。IgG4RKDを血管炎の病態と捉えて、血管炎モデルMRL/lprマウスにマンソン吸虫感染させ、Th2とTreg中心の免疫反応下での血管炎の組織学的変化を解析した。感染マウスは、IgG4-RKD類似の動脈周囲炎を呈することが明らかとなった。
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