研究課題
基盤研究(C)
慢性人工透析患者は現在約30万人、高齢化もすすみ患者のQOLや合併症の予防のためにもCKD(慢性腎臓病)における骨ミネラル代謝異常(CKD-Mineral and Bone Disorder: CKD-MBD)は大きな問題となっている。CKD-MBDは骨の病変を生ずるだけでなく、長期的には血管を含む全身の石灰化を介して生命予後にも影響を及ぼすことが、近年注目されている。特に二次性副甲状腺機能亢進症はCKD-MBDでも頻度が高く重要な病態である。本研究では、成体の副甲状腺における転写因子Mafb の機能を明らかにし、腎性二次性副甲状腺機能亢進症におけるMafbの役割を解明することである。これらの結果からMafbが腎性二次性副甲状腺機能亢進症の治療ターゲットとなる可能性がある。平成24年度はマウスでのMafbの副甲状腺における機能の解析を行った。アデニンを給餌することによりマウスに腎不全を発症させ、腎性二次性副甲状腺機能亢進症を誘導した。Mafb+/-、野生型マウスで比較したところ、野生型マウスでみられた血清intact-PTHの上昇は、Mafb+/-マウスでは抑制されていた。また副甲状腺でのcyclinD1の発現には差がなくcyclinD2の発現に差異がみられた。Mafbのターゲットのひとつとして、PTH、cyclinD2が知られておりそれらの転写制御を介して腎性二次性副甲状腺機能亢進症の発症にMafbが関わっていると考えられた。
2: おおむね順調に進展している
マウスでの解析で二次性副甲状腺機能亢進症でMafbの役割が明らかになりつつある。
Mafb+/-マウスでみられた副甲状腺機能亢進症の抑制が、逆に副甲状腺にMafbを強発現したマウスで亢進されるかどうかを証明し、そのメカニズムを明らかにする。
該当しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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