研究課題
本研究はDDS(Drug Delivering System)技術の応用により、機能性ナノ粒子含有腹膜透析液を開発し、生体適合性を高め、長期腹膜透析を可能とすることを目的とする。研究代表・分担者らが近年開発してきた酸化ストレス部位特異的に抗酸化作用を発揮するナノ粒子を基に、活性酸素消去による腹膜保護と老廃物吸着能を有するナノ材料(SIRNP)を設計し、安全でQOLの高い腹膜透析を可能にし、長期にわたる腎代替療法に利用できるシステムを構築するものである。SIRNPは既報(Bioconjugate Chem. 20:1792-8 2009, Biomaterials 32:8021-8 2011)に基づき,ニトロキシドラジカルTEMPOを内包する数十nmサイズのナノ粒子として合成した.SiRNPはRNPにゾル-ゲル法にてシリカ粒子を融合させ作成した.SiRNPはCG誘発性EPSモデルラットに対して腹膜中のスーパーオキサイドを効果的に消去し、腹膜の厚膜化を抑制した.非粒子化TEMPOLでは腹膜保護効果は微弱であった.腹腔内投与されたTEMPOLは速やかに血中に拡散したが,SiRNPは血中への移行が認められなかった.SiRNPは腹膜透析においてEPSを予防し,高いQOLを実現できるバイオマテリアルとして期待できる.
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Biomaterials Science
巻: 2 ページ: 522-529
10.1039/C3BM60236B
https://www.researchgate.net/publication/266858164_Design_and_use_of_silica-containing_redox_nanoparticles_siRNPs_for_high-performance_peritoneal_dialysis