研究課題
Ⅳ. zymography法を用いたDSラットおよびアルドステロン投与ラットにおける腎および尿中での活性が亢進しているセリンプロテアーゼ(SP)の同定をⅢのDNAマイクロアレイ解析よりも優先し、検討した。昨年までの検討でDSおよびアルドステロン投与ラットの腎で80kDaのSPについて、蛋白のN末端アミノ酸解析や液体クロマトグラフ・質量分析(LC/MS)を施行し、蛋白を同定したところ80kDaのSPはプラスミンであることが判明した。Ⅲ.DNAマイクロアレイ解析を用いたDSラットおよびアルドステロン投与ラットにおける発現亢進SPの同定に関しては、当初、DNAマイクロアレイ解析を施行することにより発現が亢進しているSPを同定しようと考えていたが、重要なのはmRNAレベルで発現が亢進しているSPではなく、蛋白レベルで発現が亢進しているSPであるため、まず実験Ⅳを行った。その結果、発現が亢進したSPとしてプラスミンを同定できたため、DNAマイクロアレイ解析は施行しなかった。Ⅴ. In vitroでの同定したSPによるENaCの活性化についての検討に関しては、同定したSPがプラスミンであり、プラスミンはγENaCのK194を切断することによってENaCを活性化することが既に報告されているため、この検討は行わなかった。Ⅵ.健常者と未治療本態性高血圧患者における尿中SP活性と血圧値との相関関係の検討尿蛋白を有する患者で尿蛋白中に含まれているプラスミンが、ENaCを活性化することによって浮腫を生じることが既に報告されているため、この検討を保留とし、現在、動物実験に立ち返り、プラスミンノックアウトマウスを作製し、血圧とENaCの活性化に関してコントロールマウスと比較することによってプラスミンの血圧上昇およびENaC活性化における意義を明らかにしているところである。
すべて 2015
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Nephron
巻: 129 ページ: 223-232