中枢性機序による高血圧のモデルとしてアンジオテンシンII (Ang II)持続投与ラットを用いた。骨髄由来細胞を脳室内自家移植し、血圧と交感神経活動を評価した。Ang II持続投与でラットの血圧は有意に上昇し、神経節遮断薬投与による血圧降下度は増大した。骨髄由来細胞の脳室内自家移植で、両変化は抑制された。さらにAng II持続投与による脳内AT1受容体とTGF-βの発現増加は骨髄由来細胞の脳室内自家移植で抑制された。以上より脳内骨髄由来細胞はAng IIによる脳内レニン-アンジオテンシン系の亢進と炎症をおさえ、交感神経活動亢進と血圧上昇を抑制する可能性を見いだした。
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