慢性腎臓病(CKD)はミネラル代謝異常を発症し、軟部組織の繊維化や異所性石灰化を発症する。本研究では重症度の異なるCKDラットを作製し、赤外およびラマンイメージング、同位体顕微鏡を用いてそのカルシウム(Ca)代謝と線維化について検討しながら、病態の新規可視化手法の開発を行った。その結果、二次性副甲状腺機能亢進症を発症した初期段階では、必ずしも異所性石灰化を発症しないことが示された。また、CKDに伴って骨から溶出したCaが直ぐに異所性石灰化に結び付かないことも示された。新規可視化手法の開発では繊維化の計測方法として配向性の評価法を確立し、更に試料の固定や包埋による影響も示した。
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