研究実績の概要 |
1.引き続きAQP11欠損マウスでのオートファジーをLC3-GFPでの蛍光で検索した。腎臓とは違い、肝臓、小腸、筋肉においてオートファジーは野生型とは差がみられなかった。AQP11欠損マウスの腎臓の近位尿細管の初代培養をおこなってオートファジーをLC3-GFPでの蛍光で検索した。野生型細胞と比べてオートファジーが亢進していることがあきらかになった。AQP11欠損マウスの腎臓のオートファジー関連遺伝子の発現をreal-time PCRで定量した。生後2,3,6,8週のマウスを用いて野生型を1にして定量した。Map1lc3b, Becn1, Lamp2はすべての週齢において1以上であったが、Nbr1, Bnip3は1と差がなかった。週齢による変化はすべてにおいてみられなかったので、のう胞腎になってもオートファジーが刺激されていることが推定された。一方、アポトーシス関連遺伝子ではApaf1, Caspase1,4,12が週齢を経るにつれて増加していくことがあきらかになった。さらに酸化ストレス関連の遺伝子ではKeap1, Nrf2も1と差がなかった。以上の結果は2014.11にアメリカ腎臓学会で発表した。 2.AQP11欠損マウスの腎臓と脳のmRNAをそれぞれマイクロアレイで野生型と比較して変化した遺伝子をKeyMolnetで解析したところアポトーシスや小胞体ストレスと関連した遺伝子が腎臓・脳に共通して増加していた。 3.AQP11欠損マウスの脳脈絡叢(AQP11発現)のmRNAをマイクロアレイで野生型と比較したところ、Ca輸送、アポトーシス、細胞接着に関連した遺伝子の増加がみられた。 4.脳の血管内皮細胞(AQP11発現)を密度勾配法で集めてきて遺伝子発現を比較したところ、AQP11欠損マウスではGLUT1の発現が野生型より増加していた。
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