パーキンソン病はドパミン(DA)神経死を来す神経変性疾患である.しかし,なぜDA神経に病態が生じるのかよく分かっていない.我々はDAとαシヌクレイン(asyn)の相互作用と細胞毒性について検討した.TetOFFシステムを用い,PC12細胞でasyn発現細胞(変異体を含む)を確立した.asynの発現は細胞脆弱性をもたらしたが,チロシン水酸化酵素阻害をすると脆弱性が抑制されたことから,asyn毒性はDA代謝と関係があると考えられた.さらにasynにはDA存在下にてMet酸化修飾があること,その主要ターゲットとして127番Metが重要と考えられ,周辺アミノ酸配列はこの修飾を促進していると考えられた.
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