アルツハイマー病の病態修飾治療の中でAβワクチン療法の開発が進行しているが、能動免疫の臨床治験(AN1792)では、一部の患者に髄膜脳炎が起こり原因としてAβ反応性のT 細胞による自己免疫性脳脊髄炎が考えられている。我々はAβペプチドを免役し脳炎を惹起した場合と、Aβ反応性のCD4+Th1+ T cellを移入した場合において、新たな免疫抑制因子であるSPARC/osteonectinを用いて治療し、免疫反応の抑制、脳炎の改善効果を解析した。その結果、SPARC/osteonectinによる炎症細胞の脳内浸潤抑制、炎症性サイトカインの発現低下と抑制系IL-6産生誘導が認められた。
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