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2013 年度 実施状況報告書

αシヌクレインの選択的オートファジー分解におけるBAG3/HSP70複合体の役割

研究課題

研究課題/領域番号 24591272
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

渡邊 義久  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363990)

研究分担者 田中 雅樹  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80264753)
徳田 隆彦  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80242692)
キーワードα-シヌクレイン / オートファジー / BAG3 / p62 / リン酸化
研究概要

オートファジーによる凝集体分解(アグリファジー)機構における基質認識を解明するために、α-シヌクレイン凝集体や他の易凝集性蛋白質をモデルに解析を行った。今年度はオートファジーアダプター蛋白質SQSTM1/p62の基質との結合制御を明らかにするために、凝集体形成細胞におけるp62のS351およびS403のリン酸化を免疫細胞化学およびウエスタンブロットで解析を行った。その結果、fibrilα-シヌクレインを導入した細胞ではS351リン酸化p62の増加が起きた。また、他の凝集性蛋白質の発現でも同様の結果を得た。さらに、免疫細胞化学解析の結果、S351リン酸化p62の凝集体への局在も確認できた。一方、我々が用いた凝集体モデルではS403のリン酸化は起きなかった。これらの結果から、Keap1のオートファジー分解やゼノファジーと同様に、アグリファジーでもS351のリン酸化が重要な役割を担っている可能性が示唆された。そして阻害剤実験から、このリン酸化にPI3K-mTor経路が関与していることも明らかにした。
次に、α-シヌクレイン凝集体のオートファジーによる分解のライブイメージング観察を試みた。293細胞にEGFPを融合したα-シンクレインを発現させ、その後in vitroで作製したα-シヌクレインfibrilを細胞に導入する。そして、Lysotracker-Redでリソソームを染色し、細胞内で形成されたα-シンクレイン凝集体の分解をタイムラプス解析した。その結果、生細胞でα-シンクレイン凝集体分解を観察できるようになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は選択的オートファジー分解における凝集体の認識機構の解析を行う計画をしていた。p62のリン酸化を介した基質結合を明らかにすることができたので、概ね計画通りに研究は進展している。

今後の研究の推進方策

オートファジーアダプター蛋白質p62のα-シンクレイン凝集体の認識機構の解明とBAG3のこの機構へ関与を明らかにする。特に、p62のリン酸化の制御機構を明らかにする

次年度の研究費の使用計画

今年度末に抗体を発注予定であったが、海外取り寄せのため納期が今年度に間に合わなかった。そのため次年度使用額が生じた。
来年度に納品されるので、その支払いに充てる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Differential expression of alpha-synuclein in hippocampal neurons.2014

    • 著者名/発表者名
      Taguchi, K., Watanabe, Y., Tsujimura, .A, Tatebe, H., Miyata, S., Tokuda, T., Mizuno, T., Tanaka, M.
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 9 ページ: e89327

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0089327. eCollection 2014.

  • [学会発表] パーキンソン病関連分子α-Synucleinの多様な脳内発現プロファイルについて2014

    • 著者名/発表者名
      田口勝敏、渡邊義久、辻村敦、田中雅樹
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      下野市
    • 年月日
      20140327-20140329
  • [学会発表] パーキンソン病関連蛋白質α-Synucleinの凝集体蓄積とマクロオートファジー2013

    • 著者名/発表者名
      渡邊義久、田中雅樹
    • 学会等名
      細胞内ロジスティクス・シンポジウム
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20130917-20130918
  • [学会発表] Differential expression of α-synuclein depends on cell-types in cultured neurons.2013

    • 著者名/発表者名
      Taguchi K, Watanabe Y, Tsujimura A, Tanaka M.
    • 学会等名
      第36回日本神経科学大会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      20130620-20130623
  • [学会発表] α-Synuclein is present as a monomer in the biological fluid.2013

    • 著者名/発表者名
      Tatebe H, Tokuda T, Ishi Ryotaro, Watanabe Y, Taguchi K, Kasai T, Tsujimura A, Mizuta I, Mizuno T, Tanaka M, Nakagawa M.
    • 学会等名
      第36回日本神経科学大会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      20130620-20130623
  • [学会発表] Transendocytosis is impaired in CADASIL mutant NOTCH3.2013

    • 著者名/発表者名
      Watanabe A, Watanabe Y, Tanaka M, Nakagawa M, Mizuno T.
    • 学会等名
      第36回日本神経科学大会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      20130620-20130623
  • [学会発表] パーキンソン病治療薬開発を目的とした汽水域放線菌ライブラリーからのオートファジー誘導物質のスクリーニング

    • 著者名/発表者名
      渡邊義久、辻村敦、田口勝敏、田中雅樹
    • 学会等名
      4大学連携研究フォーラム
    • 発表場所
      京都市
  • [図書] Nova Science Publishers Inc2013

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, Y., Tsujimura, A., Taguchi, K., Tanaka, M.
    • 総ページ数
      21
    • 出版者
      α-Synuclein metabolism and aggregation in the pathogenesis of Parkinson’s disease. In: α-Synuclein: Functional Mechanisms, Structure and Role in Parkinson’s Disease.

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公開日: 2015-05-28  

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