研究課題/領域番号 |
24591272
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 義久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363990)
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研究分担者 |
田中 雅樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80264753)
徳田 隆彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80242692)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | α-シヌクレイン / オートファジー / p62 / リン酸化 |
研究実績の概要 |
線維化α-シヌクレインをトランスフェクション試薬により培養細胞内へ導入すると、内在の可溶性α-シヌクレインの凝集化を促進する。このシステムを利用し凝集体形成とリソソーム機能の関連性を調べた。20mM 塩化アンモニウムや10nM Bafilomycin A1処理により凝集体形成が抑制された。さらに、カテプシンB特異的阻害剤CA-074Me(5μM)で処理やsiRNAでカテプシンBをノックダウンした時も凝集体は形成されなかったことから、α-シヌクレイン凝集体形成にはリソソーム内でカテプシンBによる分解が必要であることが明らかになった。 また昨年、培養細胞で形成させたα-シヌクレイン凝集体がS351リン酸化p62と共局在すること見出した。このp62のリン酸化は基質のオートファジー分解を制御している。そこで、パーキンソン病モデルマウスの脳内でのリン酸化p62の局在を観察した。パーキンソン病モデルマウスは、線維化α-シヌクレインをマウス線条体へインジェクションすることで作製した。レビー小体様α-シヌクレイン凝集体の検出には抗リン酸化α-シヌクレイン抗体を利用した。インジェクションから6ヶ月後、リン酸化α-シヌクレイン陽性の凝集体が線条体ニューロンの細胞体や神経線維に蓄積していた。そして、細胞体に存在する凝集体にはp62とリン酸化p62が共局在していたが、神経線維に存在する凝集体には共局在していなかった。さらに、BAG3の共局在性やLC3発現も解析したところ、この凝集体へのBAG3の結合が認められると同時に、LC3が発現上昇していた。 次に、α-シヌクレイン凝集体出現によるp62リン酸化機構を解析した。各種阻害剤によるスクリーニングの結果、p62のリン酸化に熱ショック因子が関与していることを見出した。熱ショック因子はHSP70やBAG3などの転写制御に関与することから、今後はこれらの因子とp62リン酸化機構の関連性を解析する必要がある。
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