アルツハイマー病の進行と深い関わりを持つ脳内Aβ、tauを削減することが、本疾患の治療に効果的と考えられる。本研究では、tau単独、及びAβ・tau同時標的DNAワクチンを作製し、Aβ・tau・プレセネリン1がヒトアルツハイマー型変異遺伝子に置換されたトリプルトランスジェニックマウスを用い、生体投与試験を行った。その結果、マウス血漿中の抗tau、抗Aβ抗体価上昇と共に、脳内tau、Aβ蛋白の減少が観察された。即ち、本ワクチンが抗tau、抗Aβ抗体の産生を促し、これらが脳内に蓄積しつつあるtau、Aβを削減して疾患の進行を抑制する可能性が示唆された。本ワクチンは臨床開発に向け特許出願中である。
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