研究概要 |
「非侵襲的生理学的手法による大脳内神経伝導」について平成24年度は、1)視覚と聴覚刺激の伝導に関する研究を脳磁計を用いて行い、視覚情報と聴覚情報の相互干渉が側頭葉下面で生じていることを明らかにし、国際英文専門雑誌に報告した(Jomori, Hoshiyama et al., Cogn Neurosci, 2013; Nakagawa, Hoshiyama et al., Neurophysiology, 2012)。本結果から複数の刺激モダリティーによる脳内伝導が刺激後150~200msまでには生じていることから、直列的な脳内伝導を追っていくことができるのは刺激後100ms程度までであろうことが考えられた。体性感覚反応については、各成分の刺激間の干渉と回復曲線により各成分の接続性と加齢変化に関する測定を開始し、現在健常高齢者およびパーキンソン病でのデータを収集している。平成25年度に成果として発表予定である。その他、関連研究として認知機能と時間感覚の関係(Iwamoto and Hoshiyama, Physical Occup Ther Geriatric, 2012)、運動によって生じる生体の振動計測(Tanaka and Hoshiyama, J Back Musculoskelet Rehab, 2012; Tanaka and Hoshiyama, J Musculoskelet Res, 2012)に関する成果も報告し、基礎的および臨床的な成果を報告した。 平成25年度は、若年者および高齢者、慢性痛を有する神経疾患患者について、体性感覚誘発脳磁場による脳内神経伝導をrecovery functionの手法を用いて明らかにした。平成26年度に向けて成果報告を準備している。 学会発表:17th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders."Visual evoked response in the primary visual cortex in Parkinson’s disease and aging effects: a magneto-encephalogarphic study" 第43回日本臨床神経生理学会学術大会「脳磁図を用いた若年者と高齢者における連続痛覚刺激に対する抑制反応」
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