研究概要 |
<FSRデータは,平成25年度には,約1,000例の症例蓄積があった.>1.脳梗塞症例について,発症時の臨床情報,臨床病型,臨床背景を調査,検討した.2.入院時には,全症例について,詳細な採血データを取得した.3.入院中の検査・画像所見,治療法,臨床経過,合併症,等の詳細な情報を登録した.4.退院時には,詳細な神経症候,高次脳機能(認知機能,他),および二次予防目的に投与された内服薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬,他)の有無を調査,登録した.5.専任のCRCにより,退院後は,3ヶ月,6ヶ月,1年,2年,3年後に,詳細な機能評価(modified Rankin Scale;mRS,他)を行った. <データ解析>1.予後調査が施行された脳梗塞症例を抽出し,症例の検討,解析し,一部について学会発表,論文発表を行った.2.機能予後(mRS)により,群分けを行い,多群間で,発症時臨床情報,脳梗塞臨床病型,臨床背景,入院時採血データとの関連を比較検討し,予後不良因子を,多変量解析にて同定する予定である.3.退院後の予後データが蓄積されつつあり,少数例での予後規定因子を解析し,一部を学会発表,論文発表した. <発表論文> Makihara N,Kamouchi M,Hata J,Matsuo R,Ago T,Kuroda J,Kuwashiro T,Sugimori H,Kitazono T; Fukuoka Stroke Registry Investigators. Statins and the risks of troke recurrence and death after ischemic stroke: the Fukuoka Stroke Registry. Atherosclerosis. 2013 Dec;231:211-5.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,予後調査を主体に,解析を進め,結果の発表を中心に行う予定である. 1.1年間の脳梗塞再発に関して,Cox比例ハザードモデル解析法,等を用いて,再発危険因子を検討,同定する予定である.2.脂質異常症と予後・再発の関係について,入院時LDLコレステロール, HDLコレステロール,中性脂肪(Triglyceride; TG)の値と,1年 後予後(mRS),脳梗塞再発の危険度を明らかにする.3.脳梗塞再発に関連する危険因子を同定後,複合因子を用いた再発スコアリングを構築する.4.脳梗塞発症後の症例群における,脂質異常症と他の心血管疾患の発症(再発)の関係を明らかにする.4.脂質異常症に対する内服(スタチン)の投与時期(脳梗塞発症前,発症後急性期,発症後亜急性期~慢性期)による,その後の予後を検討する.
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