研究課題/領域番号 |
24591301
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
時村 洋 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50227568)
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研究分担者 |
湯ノ口 万友 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (10094187)
花谷 亮典 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60304424)
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90212646)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 磁気刺激 / 一次運動野 / 大脳半球優位性 / 運動誘発電位 / 言語中枢 / 顔面運動 / 顔面神経 / 開頭術 |
研究実績の概要 |
経頭蓋磁気刺激法、針も刺さず、電極も付けずに脳を操る手法。本研究は、正に活動している脳神経系機能を解明する生理学的手法である。本研究では本法を応用し、更に一見関連がないと思われる言語と手の運動との解剖学的線維連絡、機能的結合を明らかにしてきた。運動性、感覚性言語野を刺激しこれらの賦活あるいは抑制と手の運動野を刺激した場合の運動電位の変化を捉えた。これを応用することにより、左利き健常人における左右大脳半球優位性は、右利きとは異なり右半球に優位性が多く存在していることが判明した。これは従来言われている結果と異なっていたが、その理由としてこの優位性には利き手の矯正等、手の運動使用が影響していることが考えられた。次にヒトの言語活動における重要な役割を果たす顔面運動について検討した。健常成人において側頭部~前頭部皮下を走行する顔面神経の走行について、末梢神経電気刺激装置を用いてその走行を明らかにし、脳動脈瘤における前頭側頭開頭術における顔面神経温存法を確立した。次に顔面運動野、顔面神経、顔面筋の連携による顔面運動について検討した。経頭蓋磁気刺激法および経頭蓋電気刺激法により大脳半球一次運動野内の顔面運動野を刺激後、顔面筋から運動電位を記録し頭皮上から対応する領域を明らかにした。この結果に基づいて小脳橋角部疾患に対する手術において、本機能をモニタリングすることにより、機能を温存する方法を確立した。これにより手術後の顔面麻痺、言語障害を軽減し、手術後のリハビリテーションを促進することに貢献した。
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