研究課題/領域番号 |
24591302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
牧野 雅弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (80271162)
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研究分担者 |
近藤 正樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20315964)
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30264782)
山田 惠 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80315960)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | MRI / q space imaging / 拡散強調画像 / 認知症 / CADASIL |
研究概要 |
【目的】MRI拡散強調画像(DTI)の手法の一つで,細孔材料の非破壊検査に使われるq-space imaging(QI)は細孔材料の直径を非侵襲的に計測する方法である.我々は現在のところ難しい大脳白質病変の質的評価のため,遺伝性脳血管性障害CADASILにおける微細な白質病変をQIで評価し,QIの臨床応用の可能性を検討した. 【対象と方法】対象はCADASIL患者6名(平均年齢55歳)と正常者5名(平均年齢41歳).方法はPhilips社製1.5TMRI装置を用いてQI用に拡散強調画像をsingle-shot echo-planar (EPI) 法 [repetition time (TR)/echo time (TE) = 6000/173 ms], 128 x 128 matrixで撮像した.b値を10,000 s/mm2までの10段階で,3-mm幅gapなしで撮像した. QIは1スライス当たり136 画像を25分で得た. QIはpixel毎にmean displacement (MD)を算出し,最小MD, ADC, FA, radial diffusivity (RD)像を作成すると共にROI解析で定量的評価を行った. 【結果】ROI解析では正常者とCADASILでは大脳白質の全部位,特に前頭葉と側頭葉で,有意差を認めた(前頭葉C群0.21/V群0.36,側頭葉C群0.27/V群0.38).一方ADCとRDでの評価では後頭葉の有意差は認めなかった.正常者のMD像では白質と皮質をより良く弁別が可能であった.CADASILのQIでは白質病変,特に前頭葉白質のMD上昇を認めたが,皮質白質のU線維と後頭葉では上昇を認めなかった. 【結論】Q-space imagingは従来の拡散強調画像よりもCADASILにおける白質病変を鋭敏に描出ができ,白質病変の質的評価が行えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Q space imagingの有用性を大脳白質病変が主体であるCADASILで証明することができた
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今後の研究の推進方策 |
他の認知症疾患においてその有用性を検討する
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次年度の研究費の使用計画 |
大脳白質病変を有する脳血管性認知症患者,白質病変を認めないアルツハイマー患者,白質病変を認めるアルツハイマー患者の3群で以下の項目を評価測定する. a) 臨床評価項目:年齢,性,血圧,脂質代謝,糖尿病などの身体的評価と学歴,喫煙,飲酒などの生活歴の評価 b) 認知機能検査:Mini-mental state examination (MMSE), Alzheimer病評価スケール(ADAS-COG), 前頭葉機能検査frontal assessment battery(FAB), Montreal cognitive Assessment (MoCA), word fluency test, trail making test (TMT) c) MRI評価項目:FLAIR画像による大脳白質病変の定量化,q space imagingによる定量化,T1画像による大脳皮質萎縮の定量化と脳室拡大の定量化 これらの画像検査の解析用の消耗品,認知機能検査の補助に係る人件費などを必要とする
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