研究課題/領域番号 |
24591302
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
牧野 雅弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (80271162)
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研究分担者 |
近藤 正樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20315964)
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264782)
山田 惠 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80315960)
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キーワード | 拡散強調画像 / MRI / q space imaging / 大脳白質病変 / CADASIL |
研究概要 |
【目的】MRI拡散強調画像(DTI)の手法の一つで,細孔材料の非破壊検査に使われるq-space imaging(QI)は細孔材料の直径を非侵襲的に計測する方法である.我々は大脳白質病変の質的評価のため無症候性白質病変、孤発性脳血管障害患者、遺伝性脳血管性障害CADASIL、アルツハイマー病患者における微細な白質病変をQIで評価し,QIの臨床応用の可能性を検討した. 【対象と方法】対象は無症候性白質病変患者5名(平均年齢73歳)、CADASIL患者6名(平均年齢55歳)と正常者5名(平均年齢41歳).方法はPhilips社製1.5TMRI装置を用いてQI用に拡散強調画像をsingle-shot echo-planar (EPI) 法 [repetition time (TR)/echo time (TE) = 6000/173 ms], 128 x 128 matrixで撮像した.b値を10,000 s/mm2までの10段階で,3-mm幅gapなしで撮像した. QIは1スライス当たり136 画像を25分で得た. QIはpixel毎にmean displacement (MD)を算出し,最小MD, ADC, FA, radial diffusivity (RD)像を作成すると共にROI解析で定量的評価を行った. 【結果】ROI解析では正常者とCADASILでは大脳白質の全部位,特に前頭葉と側頭葉で,有意差を認めた(前頭葉C群0.21/V群0.36,側頭葉C群0.27/V群0.38).一方ADCとRDでの評価では後頭葉の有意差は認めなかった.正常者のMD像では白質と皮質をより良く弁別が可能であった.無症候性白質病変患者では正常者と比べて明らかな有意差を認めなかった。 【結論】Q-space imagingは従来の拡散強調画像よりもCADASILにおける白質病変を鋭敏に描出ができたが,無症候性白質病変患者では難しかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CADASIL患者において早期より大脳白質に変化があることをq space imagingによって検出することができた
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今後の研究の推進方策 |
これまでの1.5T MRI機種では測定に時間を要することから3T MRIへ機種変更し同じくQ space imaging画像の作成を試みている。ソフトの変更、契約などに時間を要しているが、3TMRIによってより短時間に必要な情報を入手することが可能となるので、認知症患者での体動などへ対応が可能となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
認知機能検査を行うためとして計上していた人件費、謝金が予定患者数に達せず、使用しなかったため 次年度において今年度行えなかった認知機能検査を行う
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