研究課題/領域番号 |
24591306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
谷脇 考恭 久留米大学, 医学部, 教授 (80284496)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
高齢健常者12例、およびパーキンソン病患者12例を対象として、運動課題(拇指に順に示指、中指、薬指、小指を合わせ2回グ−パーを作り拇指に小指、薬指、中指、示指を合わせる。これを40秒間繰返す。これを5段階の自己ペースまたは外的ペースで行う)を行いながらブロックデザインのfMRIを撮像する。画像解析ソフト (SPM8)を用いて、課題遂行中に活性化される部位を解析する。次に回路関連部位での信号変化を解明する。さらに解析ソフトを用いて、Effective Connectivity解析(共分散構造解析、Structural Equation Modeling: 以下SEM)を行い、基底核運動回路内の情報処理過程を明らかにした。高齢健常者では、自己ペース課題中に基底核運動回路、外的ペース課題中に小脳―大脳運動回路の機能連関が亢進していた。また、視床と大脳皮質との連関が、課題により質的変化をきたしていた。一方、パーキンソン病患者では高齢健常者と比較して、自己ペース課題中の基底核運動回路における機能連関が低下していたが、外的ペース課題中の小脳―大脳運動回路における機能連関は保たれていた。以上の所見は、パーキンソン病のバイオマーカーとして有用と思われた。この結果はBrain Research誌にacceptされ、現在印刷中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、初年度は高齢健常者、2年目にパーキンソン病患者のデーターを収集する予定であったが、予想以上に研究が順調に進み、両群のデーター解析まで終了した。
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今後の研究の推進方策 |
症候性パーキンソニズム例(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、血管性パーキンソンニズム患者など)を対象として、運動課題(拇指に順に示指、中指、薬指、小指を合わせ2回グ−パーを作り拇指に小指、薬指、中指、示指を合わせる。これを40秒間繰返す。これを5段階の自己ペースまたは外的ペースで行う)を行いながらブロックデザインのfMRIを撮像する。画像解析ソフト (SPM8)を用いて、課題遂行中に活性化される部位を解析する。次に回路関連部位での信号変化を解明する。さらに解析ソフトを用いて、Effective Connectivity解析(共分散構造解析、Structural Equation Modeling: 以下SEM)を行い、症候性パーキンソニズムにおける基底核運動回路・小脳―大脳運動回路のEffective Connectivityモデルを作成する。症候性パーキンソニズムの場合、被殻や淡蒼球の病理変化があるので、基底核運動回路全体の機能低下と、代償性の小脳―大脳運動回路の機能連関亢進が予想される。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費は200,000円、旅費は300,000円、人件費は100,000円の予定。
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