研究課題/領域番号 |
24591306
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
谷脇 考恭 久留米大学, 医学部, 教授 (80284496)
|
キーワード | 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
症候性パーキンソニズム例(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、血管性パーキンソンニズム患者など)を対象として、運動課題(拇指に順に示指、中指、薬指、小指を合わせ2回グ-パーを作り拇指に小指、薬指、中指、示指を合わせる。これを40秒間繰返す。これを5段階の自己ペースまたは外的ペースで行う)を行いながらブロックデザインのfMRIを撮像する。画像解析ソフト (SPM8)を用いて、課題遂行中に活性化される部位を解析する。次に回路関連部位での信号変化を解明する。さらに解析ソフトを用いて、Effective Connectivity解析(共分散構造解析、Structural Equation Modeling: 以下SEM)を行い、症候性パーキンソニズムにおける基底核運動回路・小脳―大脳運動回路のEffective Connectivityモデルを作成した。 症候性パーキンソニズム例では寡動が高度の方が多く、運動課題の遂行に問題があり、正常健常者との比較が困難であった。そこで、寡動が高度なパーキンソン病症例のデーターを追加し、この群との比較検討を行っている。十分な症例数が集まっていないが、現在のところ、パーキンソン病において基底核と視床との機能連関低下を認めたが、症候性パーキンソニズムの場合、基底核内の機能連関低下を認め、症候性パーキンソニズムのバイオマーカーとして有用の可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症候性パーキンソニズム例では寡動が高度の方が多く、運動課題の遂行に問題があり、正常健常者との比較が困難であった。そこで、寡動が高度なパーキンソン病症例のデーターを追加し、この群との比較検討を行う必要がある。そのため時間がかかっているが、当初の計画どおり3年目で症候性パーキンソニズム患者のデーター収集が終了する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度も引き続き、症候性パーキンソニズム例(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、血管性パーキンソンニズム患者など)および寡動が高度なパーキンソン病症例を対象として、運動課題(拇指に順に示指、中指、薬指、小指を合わせ2回グ-パーを作り拇指に小指、薬指、中指、示指を合わせる。これを40秒間繰返す。これを5段階の自己ペースまたは外的ペースで行う)を行いながらブロックデザインのfMRIを撮像する。画像解析ソフト (SPM8)を用いて、課題遂行中に活性化される部位を解析する。次に回路関連部位での信号変化を解明する。さらに解析ソフトを用いて、Effective Connectivity解析(共分散構造解析、Structural Equation Modeling: 以下SEM)を行い、症候性パーキンソニズムにおける基底核運動回路・小脳―大脳運動回路のEffective Connectivityモデルを作成する。 前年度の結果から、症候性パーキンソニズムの場合、基底核内の機能連関低下を認め、症候性パーキンソニズムのバイオマーカーとして有用の可能性がある。本年度はこれを検証・確定し、国内・国際学会にて発表、ならびに論文として投稿する予定である。
|