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2012 年度 実施状況報告書

カプセル内視鏡と慢性硬膜下電極埋め込みによる脳活動テレメータシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591308
研究種目

基盤研究(C)

研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

根本 正史  公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 研究員 (80370980)

研究分担者 木暮 信一  創価大学, 工学部, 教授 (10133448)
川井 秀樹  創価大学, 工学部, 准教授 (90546243)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード脳活動イメージング / カプセル内視鏡 / 無拘束イメージング
研究概要

本研究の目的は,覚醒下,自由行動中の小動物において,カプセル内視鏡の技術を応用し,何ら束縛することなく脳活動をイメージングする技術を開発することである。平成24年度の研究実施計画は,脳表のイメージングを行う為のカプセル内視鏡の選定を行い,覚醒下ではなく,麻酔中のげっ歯類において,感覚刺激による脳活動領域を,血液量の変化や血液酸素化度の変化によってマッピングすることであった。(1) カプセル内視鏡の選定: 現在,保険適応となり市場で手に入るカプセル内視鏡は,Given Imaging社製とOlympus社製のものである。前者のカプセル内視鏡PillCamSBは,カラービデオ出力の為, ヘモグロビン濃度の定量化に不向きで,開発拠点も海外にある為,技術的な協力や情報を得るには困難があると判断された。後者の Endo Capsuleは,画像取得システムとして計測に適しているが,自動調光機能やカラーフィルターなどの機能が不適であった。担当者と何度か打ち合わせたが,新たな改造と企業秘密の問題があり,進展が得られていない。他社の小型CCDカメラも含めて検討中である。(2) これと並行し,様々な麻酔下のマウスにおいて,実体顕微鏡とRolera-EM-C2 CCDカメラを用いて狭帯域光(ヘモグロビン等吸収点586 nm)イメージング,あるいは,QuadViewによる4波長イメージングを行い,修正ランベルト・ベール則からヘモグロビン濃度変化のマッピングを行った。マスウを用いた脳活動イメージングは,遺伝子操作を含めた様々な発展性ゆえ,数多く報告されるようになったものの,ラットなど他の動物種と異なる脳循環代謝反応が報告されている(Parakash, NeuroImage 37, 2007)。ラットとの種差につき比較検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

カプセル内視鏡の選定が遅れている。市場に出回っているカプセル内視鏡によって撮像された脳表イメージは,LED光の波長,自動調光機能,画像取得形式(モノクロ vs カラー),保存形式(静止画 vs 動画)の問題があり,ヘモグロビン濃度変化の計測やそのマッピングには最適化されていない。理論的に,どこを変更し最適化すればいいかわかっているが,大手の企業から技術提供を引き出すことは困難であった。研究目的,かつ,小動物への適用であるとはいえ,医療機器の改造に,企業側は慎重な姿勢を崩すことはなかった。また,市販で出回っている小型無線CCDカメラも,大きさ,感度,レンズの焦点距離,無線方式,画像取得形式と保存形式の問題等で難点があった。以上の理由で,当初の実施計画がやや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

カプセル内視鏡の導入にあたっての上記の諸問題に対して,今後,以下の方策でアプローチする。 (1) 神経活動に伴うヘモグロビン濃度の変化,酸素化度の変化に基づく脳活動領域を,市販の無線方式小型モノクロCCDカメラと,波長を調整したLED光を組み合わせて,麻酔したげっ歯類を用いてマッピングする。実際には,この実験に先立ち,実体顕微鏡とRolera-EM-C2 CCDカメラを用いて,活動領域の通常のマッピングを行ない,無線方式小型モノクロCCDカメラと,LED光の組み合わせで得られた結果とを比較する。(2) 市場に出回っているカプセル内視鏡を最適化しないまま使用し,麻酔したげっ歯類に対して,ヘモグロビン濃度の定性的変化で活動領域がマッピングできないか試みる。次のステップとして,覚醒下,自由行動中のげっ歯類の頭部に埋め込み,活動領域のマッピングが可能かどうか試みる。以上(1)(2)の要素技術を実現して原理的にカプセル内視鏡の技術を用いて,血液量の変化や血液酸素化度の変化による脳活動領域のマッピングが可能であることを示す。

次年度の研究費の使用計画

はじめに,無線方式小型モノクロCCDカメラと,波長を調整した各種のLEDを購入する(上記推進方策(1))。この実験には,CCDカメラの焦点を接写で大脳皮質に合わせる必要があり,光学系の技術者と相談しつつ,追加のレンズ,プリズム,光ファイバー等を含めた光学系を作製する。次いでカプセル内視鏡のカプセル部,受信装置,アンテナユニットのみを購入して(上記推進方策(2), Olympus社製のものは,140万円ほど),同様な実験を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Convergence of nicotine-induced and auditory-evoked neural activity activates ERK in auditory cortex.2013

    • 著者名/発表者名
      Kawai HD, La M, Kang HA, Hashimoto Y, Liang K, Lazar R, Metherate R.
    • 雑誌名

      Synapse

      巻: 67(8) ページ: 455-468

    • DOI

      10.1002/syn.21647

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spectral analysis of bilateral or alternate-site kindling-induced afterdischarges in the rabbit hippocampi.2012

    • 著者名/発表者名
      Tsuchiya K, Kogure S.
    • 雑誌名

      Epilepsy Res

      巻: 101(3) ページ: 228-36

    • DOI

      10.1016/j.eplepsyres..2012.04.003.

    • 査読あり
  • [備考] 研究業績

    • URL

      http://www.igakuken.or.jp/kansei/InteNeurosci_achievement.html#publication

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公開日: 2014-07-24  

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