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2012 年度 実施状況報告書

好中球による脂肪組織炎症とインスリン抵抗性惹起機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591316
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

亀井 望  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00448242)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードインスリン抵抗性 / 糖尿病 / 脂肪組織 / 炎症 / 好中球
研究概要

運動不足や食習慣の変化により2型糖尿病とメタボリックシンドロームが増加しているが、その基盤となるインスリン抵抗性の発症機序には、脂肪組織の炎症が大きな役割を果たしている。マクロファージなど様々な免疫細胞の浸潤とその役割が明らかにされているが、我々は、肥満に伴ってまず最初に好中球が脂肪組織に遊走することを見出し、好中球の浸潤をきっかけにしてマクロファージの浸潤により脂肪組織の炎症が誘導され、全身のインスリン抵抗性を導くことを明らかにした。
当該年度においては、脂肪組織に浸潤した好中球の特徴的な性質と役割を明らかにすることを目的として、脂肪組織好中球の遺伝子発現プロファイルの網羅的解析を目指した。通常食のマウスと高脂肪食により肥満したマウスからそれぞれ精巣上体脂肪を摘出し、コラゲナーゼにより分解した後に遠心分離で血管間質細胞を採取し、抗体染色をしてフローサイトメータを用いて好中球のシングルセルソーティングを行った。コントロールの臓器として脾臓からも好中球を採取した。しかし、脂肪組織に含まれる好中球の数が非常に少ないことと、好中球から採取されるRNAの濃度が低いことから、数十匹のマウスを用いても十分なRNA量が得られず、当初予定していたマイクロアレイ解析は困難であった。そこで、マイクロアレイ解析をあきらめ、次世代シーケンサーを用いたRNAシークエンスを行うよう予定を変更した。何度かの試みの後に、最近、cDNAライブラリの作成に成功したところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脂肪組織の好中球は非常に数が少なく、また好中球から得られるRNA量も予想より少なかった。そのため、予備検討を繰り返し数十匹のマウスを用いても、当初予定していたマイクロアレイ解析に十分な量のRNAを得ることができなかった。
そこで、解析方法を次世代シーケンサーを用いたRNAシークエンスに変更した。方法の変更を余儀なくされたため、予定よりもやや遅れていると考える。

今後の研究の推進方策

RNAシーケンスの解析を進め、脂肪組織好中球の遺伝子プロファイルから肥満に伴う性質の変化や遊走の機序などを解明する。また、分担研究者とともにミエロイド系細胞特異的な遺伝子改変動物や好中球の遊走に関わると考えられるロイコトリエン経路の遺伝子改変動物を用いた研究も予定している。

次年度の研究費の使用計画

シーケンスの解析のための費用や、マウス飼育、各種実験機材、移動のための交通費を予定している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] Targeting neutrophils in adipose tissue inflammations, insulin resistance and type 2 diabetes (T2D)2012

    • 著者名/発表者名
      Nozomu Kamei
    • 学会等名
      9th IDF-WPR Congress & 4th AASD Scientific Meeting
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      20121124-20121127
  • [学会発表] 脂肪組織好中球のインスリン抵抗性への関与2012

    • 著者名/発表者名
      亀井望
    • 学会等名
      第33回日本肥満学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20121011-20121012
  • [学会発表] Targeting neutrophils in adipose tissue inflammation and type 2 diabetes2012

    • 著者名/発表者名
      Nozomu Kamei
    • 学会等名
      American Diabetes Association 72th Scientific Sessions
    • 発表場所
      Philadelphia, USA
    • 年月日
      20120608-20120612
  • [学会発表] 好中球は脂肪組織の炎症を介してインスリン抵抗性に関与する2012

    • 著者名/発表者名
      亀井望
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [学会発表] 脂肪組織の炎症とインスリン抵抗性における好中球の関与の検討2012

    • 著者名/発表者名
      亀井望
    • 学会等名
      第85回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20120419-20120421

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公開日: 2014-07-24  

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