• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

劇症1型糖尿病の病因・病態の解明及び新たな治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591320
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山梨大学

研究代表者

遠藤 登代志  山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (00152017)

研究分担者 金重 勝博  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (20377518)
小林 哲郎  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30113442)
田中 昌一郎  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (70377521)
滝澤 壮一  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80456467)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード劇症1型糖尿病 / Amylaseα-2A / 自己抗体 / 慢性膵炎 / DNA 免疫
研究概要

劇症1型糖尿病は急激に発症する極めて重篤な糖尿病であり、その迅速な診断法としてAmylaseα-2A (AMY)に対する自己抗体(AMY-Ab)をELISA法にて検出することが有用であることを明らかにして来た。しかし、この測定法はbackgroundが比較的高く更に改良が必要であるため、Amylaseα-2Aを21~25アミノ酸からなるペプチドを合成し、これらを抗原としてELISAを行った。その結果、Amylaseα-2AのC末端に近いペプチド7を用いた際に、従来の結果がほぼ再現され、かつbackgroundが低下することが判明した。
この改良ELISAにて種々の膵関連疾患の血中AMY-Abの有無を検討した結果、アルコール性慢性膵炎患者中に高率に検出され、また非アルコール性慢性膵炎患者中にも存在することが明らかとなった。後者は原因不明の慢性膵炎であり、新たな疾患の存在が示唆された。
一方、AMY-Abの意義を明らかにする目的にて、AMYをマウスに免疫するモデルを開発中であるが、AMY cDNAをin vivo electroporation法にて免疫することにより高率に膵島炎を惹起しうることが判明した。現在、劇症1型糖尿病との関連を病理学的ならびに耐糖能の観点より解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

① ELISA改良:ペプチド7によるELISAはbackgroundを改善したが、目標には達成できていない。この原因はこのペプチドが難溶性であり、このためにinterassay variationが高くなる傾向があるためである。現在種々の溶媒にて検討しているため、劇症1型糖尿病での正確な
AMY-Abの頻度・抗体価の検討に遅れが生じている。
② 膵島炎モデルマウスの解析
このモデルの作成に当初、E.coliにて産生したリコンビナントAmylaseα-2Aを抗原として使用したが、実験中にこれらに高濃度のエンドトキシンが含まれることが判明し、この影響は無視できないと考え、現在AMY-cDNAのDNA 免疫に方法を変更した。このために若干の遅れが生じているが、本法はエンドトキシンの影響を回避しうる方法であり膵島炎も生じるため、今後進展が期待される。

今後の研究の推進方策

① ELISA改良
ペプチド7は抗原としては優れているが、これをELISAプレートにコートするELISAでは限界があるよと考えられる。そのため、ペプチド7とβ-galactosidaseの融合蛋白の作成、ないしペプチド7に対する家兎抗体を作成に2抗体法によるRIAないしELISAでの検出を検討している。
② 膵島炎モデルマウスの解析
現在、AMY-cDNAのDNA 免疫にてモデルが作成されており、今後CXCL-10やinterferon-γなどとの関連などの解明が期待される。これらによりAMY-Abと劇症1型糖尿病の関連や他の種々の膵疾患におけるAMY-Abの意義を明らかにする予定である。

次年度の研究費の使用計画

改良ELISA確立のため、TEKAN社マイクロプレートリーダー(サンライズリモート)を購入予定である。
研究試薬、実験動物購入およびガラス器具等を購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Reports of the Committee of the Japan Diabetes Society on the Research of Fulminant and Acute-onset Type 1 Diabetes Mellitus: New diagnostic criteria of fulminant type 1 diabetes mellitus (2012)2012

    • 著者名/発表者名
      Akihisa Imagawa, et. al.,
    • 雑誌名

      Diabetology International

      巻: 3(4) ページ: 179-183

    • 査読あり
  • [学会発表] 膵β細胞におけるIFNγ発現についての検討2012

    • 著者名/発表者名
      一條 昌志, 志村 浩己, 滝澤 壮一, 古屋 文彦, 田中 昌一郎, 會田 薫, 遠藤 登代志, 小林 哲郎.
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      20120517-20120519

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi