研究課題
劇症1型糖尿病は急激に発症する極めて重篤な糖尿病であり、その迅速な診断法としてAmylaseα-2A(AMY)に対する自己抗体(AMY-Ab)をELISA法にて検出することが有用である。しかし、この測定法はbackgroundが比較的高く更に改良が必要であるため、Amylaseα-2AのC末端に近いペプチド7を用いた際に、従来の結果がほぼ再現され、かつbackgroundが低下することが判明した。この改良ELISAにて種々の膵関連疾患の血中AMY-Abの有無を検討した結果、劇症1型糖尿病、自己免疫性膵患者での陽性率が高く、また一部アルコール性慢性膵炎患者にも陽性者が散見される。膵癌患者ではほとんどが陰性であった。興味深いことに非アルコール性慢性膵炎患者中にも陽性者が存在することが明らかとなった。一方、AMY-Abの意義を明らかにする目的にて、AMYをマウスに免疫するモデルを開発中であるが、AMY cDNAをin vivo electroporation法にて免疫することにより高率に膵島炎を惹起しうることが判明した。病理学的には膵島周囲への細胞浸潤が認められるが空腹時血糖は正常マウスとの差がなく、現在さらに詳細に耐糖能につき解析の予定であり、引き続き研究を継続してく予定である。
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PLoS One.
巻: 9(4) ページ: e95110