研究課題
申請者は脂肪細胞に特異的に発現するsynucleinの新たなアイソフォームを同定し、このsynuclein蛋白が細胞骨格に結合すること、糖輸送担体GLUT4と微小管上で共局在していること、さらにはノックアウトマウスが高脂肪食による肥満形成に抵抗することを見出した。本研究では、この新たなsynuclein蛋白による細胞骨格制御を介した脂肪細胞肥大化の制御機構を明らかとし、synucleinを治療標的とした新たな肥満・メタボリックシンドローム治療の基礎的基盤の確立を目的とした。申請者が見出した新たなsynucleinアイソフォームはactin filament ではなくmicrotubuleと結合しおり、さらに糖輸送担体GLUT4とmicrotubule上で共局在していることが判明した。synucleinを過剰発現させた培養脂肪細胞並びにsynucleinノックダウンした脂肪細胞、synucleinノックアウトマウスから単離した脂肪細胞を用いて、GLUT4 小胞の細胞内輸送機序におけるsynucleinの生理的役割を、微小管沈降アッセイ、GLUT4 蛍光抗体染色法、HA-GLUT4 染色、2 -DOG 取り込み実験を用いて、microtubule 並びにGLUT4と相互作用の観点から明らかとした。また、synucleinノックアウトマウスを用いて、肥満発症時のエネルギー代謝調節や肥満病態形成における脂肪細胞でのsynucleinの生理的機能を明とした。
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