研究課題/領域番号 |
24591341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
前島 裕子 自治医科大学, 医学部, 助教 (40438669)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | オキシトシン / ネスファチン / 室傍核 / 視交叉上核 / 摂食制御 |
研究概要 |
1.光による摂食制御 げっ歯類は暗期に摂食量が更新する。正常動物(Wistar rat)において暗期に光(200lux)を照射すると摂食量の抑制が見られ、逆に摂食行動が抑制されている明期に光を遮断すると摂食量の亢進が見られた。一方過食病態動物であるZucker Fatty Ratでは暗期の光照射により正常動物と同様に摂食の抑制が見られるが、明期の光遮断では摂食量の亢進は見られなかった。このことから過食病態動物では、光制御下における摂食調節には正常動物と異なるメカニズムが存在すると考えられる。 2.Nesfatin-1の概日発現制御 室傍核Nesfatin-1発現は正常ラットでは明期初期に高く、暗期に低くなることが明らかになり、摂食リズムと逆の相関をすることを明らかにした。さらにPVN Nesfatin-1を特異的にノックダウンすると摂食量の亢進がみられた。これらのことからPVN Nesfatin-1は明期、暗期の摂食リズム形成に重要であることが推測された。 3.PVN nesfatin-1のSCN因子による制御 PVN Nesfatin-1ニューロンが視交叉上核(SCN)由来因子であるアルギニンバソプレッシン(AVP)またはprokineticin2 (PK2)により直接制御されているか、PVN Nesfatin-1の単離細胞を用いてCa2+イメージングにより調べたところAVPおよびPK2に反応する細胞の約60%がNesfatin-1陽性細胞であった。このことから、光制御下においてPVN Nesfatin-1が摂食を制御し、摂食リズムを形成している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画は部分的ではあるが、進んでおり、本研究のますますの発展が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
摂食調節において光→SCN→PVN nesfatin-1, Oxtの神経系経路の解明を行う。またこの神経経路が生理的にどれほど重要かを神経核の破壊実験、またはニューロペプチド特異的ノックダウン等の手法により明らかにしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
備品などの購入計画はなくほぼ動物(病態動物を含む)購入費および試薬、消耗品の購入にあてる予定である。
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