研究課題/領域番号 |
24591344
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
石毛 美夏 日本大学, 医学部, 助教 (90420950)
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研究分担者 |
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
麦島 秀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80183648)
浦上 達彦 日本大学, 医学部, 准教授 (60223616)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 再生医療 / 1型糖尿病 |
研究実績の概要 |
1型糖尿病モデルマウス(NOD)由来脱分化脂肪細胞(NOD-DFAT)の作成と解析を行った。NOD-DFATはP2-P3までは増殖がみられるが、その後は成長停止し長期大量の培養は困難であった。これは糖尿病(DM)発症の有無や年齢によっての相違はなく、ヒト脂肪細胞由来ではみられない現象であるため、マウス特有の問題と考えられた。P2における細胞表面抗原を解析したところ、間葉系幹細胞(MSC)同様にCD11bは陰性、CD73、CD105は陽性であったがCD90は陰性であった。DM発症群は非発症群に対してCD73発現が高い傾向がみられた。 次にNODに対するDFATによる治療効果を検討した。DM発症1週間以内に培養NOD-DFATを乳酸加リンゲル液に浮遊しマウス尾静脈から経静脈投与した。糖尿病の発症は20-29週で発症時血糖値は161-314mg/dlと幅があった。DFAT投与群は発症後8-12週生存したのに対し、コントロール群は5-11週と短い傾向であり、一定の治療効果が認められると判断した。DFAT群とコントロール群との比較において、600mg/dlを超える血糖値の著しい上昇や体重減少がみられるまでの期間に相違はなかった。 DFATの治療効果の要因を検討するため、リンパ球増殖に与える影響と免疫制御関連因子の発現について解析を行った。当初はNOD-DFATで検討したが長期培養が難しく、個体差が大きく安定した結果が得られなかったため、当研究室で作成しているDFAT類似の臍帯由来MSCを用いて同様の検討を行った。MSCと末梢血単核球を刺激下で共培養しリンパ球増殖を評価したところ、細胞濃度依存的にリンパ球コロニー数が減少する傾向が認められた。さらに、TNFαまたはIFNγ刺激下でMSCを刺激し免疫制御関連因子のmRNA発現を解析した結果、PTGS2、HFG, IDO1などの発現が高く、これらが治療効果に関与していると考えられた。
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