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2014 年度 実施状況報告書

骨代謝バランスとその破綻~pH受容体欠損マウスを用いた解析

研究課題

研究課題/領域番号 24591349
研究機関群馬大学

研究代表者

茂木 千尋  群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00375528)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードpH / 破骨細胞
研究実績の概要

骨量は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成とのバランスによって調節される。このバランスはホルモンやサイトカインなど細胞外の要因に影響されることはよく知られているが、細胞外プロトン(pH)も重要な役割を担っており、酸性条件下では骨吸収が亢進するといわれている。OGR1 (ovarian cancer G-protein-coupled receptor 1)、TDAG8 (T-cell death-associated gene 8)、GPR4、G2A)は細胞外のpHを感知するGタンパク質共役型受容体であり、骨芽細胞および破骨細胞でも発現している。
平成24年度に行ったpQCTによる海綿骨の骨密度測定と、骨形態計測による結果を踏まえて細胞レベルでの骨代謝を明らかにする実験を行った。野生型、およびOGR1ノックアウトマウスより採取した骨髄細胞を、M-CSF、RANKLにより破骨細胞へ分化誘導を行った。播き込み細胞数、細胞の状態、分化誘導開始から評価するまでの時間を工夫し、破骨細胞のマーカーとして用いられるTRAP(酒石酸耐性酸性ホスファターゼ)と骨芽細胞のマーカーとしてのALP(骨型アルカリホスファターゼ)の活性を測定し数値化を試みた。細胞培養液中のpHを酸性(pH7.4-pH6.0)にしたときに、破骨細胞による骨吸収活性、転写因子NFATc1の核移行などの機能に着目した実験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度には出産のため産休を取得し、仕事を中断した。このためマウスの飼育数が減ってしまって平成25年度に計画していた個体レベルでの実験に必要なマウスを供給できなかったため、平成25年度より細胞レベルでの研究について前倒しで着手し26年度には培養実験をある程度進めることができた。

今後の研究の推進方策

本研究は、pH受容体ノックアウトマウスを用いて、個体レベルおよび細胞レベルでの研究を通してpH受容体が骨代謝でどのような役割を果たすのかを明らかにすることを試みるものである。平成25年度に計画していて十分に行えなかった病態モデルマウス血液中のマーカー、サイトカインをELISA 法により測定する。

次年度使用額が生じた理由

平成24年度には出産のため産休を取得し、仕事を中断した。このため、マウスの飼育数が減り、平成25年度に予定していた骨密度の測定が十分にできていない。骨密度の測定および骨形態計測のために予定していた金額を次年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

次年度使用額は骨密度測定および骨形態計測を行う予定である。骨密度の測定および骨形態計測には特殊な機器が必要なため専門の業者による測定が必要である。それ以外の実験については必要な機器や施設は揃っており設備備品の購入の予定はない。細胞培養の実験に関しては平成27年度も細胞培養実験を行うので、分化誘導にサイトカイン類が、骨代謝機能の評価として専用の培養関連器具の消耗品が必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Extracellular acidification activates ovarian cancer G-protein-coupled receptor 1 and GPR4 homologs of zebra fish.2015

    • 著者名/発表者名
      Mochimaru Y, Azuma M, Oshima N, Ichijo Y, Satou K, Matsuda K, Asaoka Y, Nishina H, Nakakura T, Mogi C, Sato K, Okajima F, Tomura H.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 457 ページ: 493-9

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2014.12.105.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acidic pH increases cGMP accumulation through the OGR1/phospholipase C/Ca(2+)/neuronal NOS pathway in N1E-115 neuronal cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Kotake M, Sato K, Mogi C, Tobo M, Aoki H, Ishizuka T, Sunaga N, Imai H, Kaira K, Hisada T, Yamada M, Okajima F.
    • 雑誌名

      Cell Signal.

      巻: 26 ページ: 2326-32.

    • DOI

      10.1016/j.cellsig.2014.07.010.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ionotropic and metabotropic proton-sensing receptors involved in airway inflammation in allergic asthma.2014

    • 著者名/発表者名
      Aoki H, Mogi C, Okajima F.
    • 雑誌名

      Mediators Inflamm.

      巻: 712962 ページ: -

    • DOI

      10.1155/2014/712962.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 群馬大学生体調節研究所 シグナル伝達分野

    • URL

      http://signal-transduction.imcr.gunma-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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