研究課題
糖毒性の状態におけるインスリン分泌不全と相関する分子を二次元電気泳動、等電点電気泳動、質量分析法にて検討し、変動した約60kDの分子はCaMKIVであると同定した。糖毒性をになうpathway としてin vivoの糖尿病ラットにおいて確認している。エストロゲンはCaMKIVを活性化するメカニズムを明らかにした。またCaMKK/CaMKIV pathway活性化には、エストロゲンにより活性化されるPKC pathwayが必要であった。さらには脂肪毒性のkey molecule 、HDL受容体、SR-BIの発現調節メカニズムを解析し、細胞内情報伝達系CaMKK/CaMKIV pathwayによる発現調節メカニズムを解析した。また最近のインクレチン療法、エストロゲンによるSR-BI発現調節と細胞内情報伝達系について網羅的に解析し、新たな転写因子の関与についても明らかにしてきた。エストロゲンがCaMKK/CaMKIV pathway、PKC pathwayを介してSR-BI遺伝子転写を亢進し、インスリン分泌能を回復することを明らかにした。現在、エストロゲンを介する転写因子を明らかにし、転写因子のトランスジェニックマウスの作成をおこない膵β細胞に与える影響について検討している。このマウスでは、膵β細胞の増殖を認めており、エストロゲンー転写因子―脂肪毒性解除による膵臓保護作用が考えられた。またマイクロRNA-33がSR-BIの抑制的に制御していることより、microRNA-33を相殺する遺伝子を膵臓に導入してSR-BIを賦活化する新たな治療戦略が考えられた。一方、新たな治療モデルとして超音波を利用したmicrobubble destruction法による遺伝子導入プロトコールを作製し、in vivoにおいて施行した。条件設定が必要であるが、新たな遺伝子導入方法に活路を見いだせた。
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