研究課題
原発性及び2次性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺におけるビタミンD受容体(VDR)の発現が低下し、活性型ビタミンDによる副甲状腺ホルモン(PTH)分泌抑制作用、副甲状腺細胞増殖抑制作用が減弱する。副甲状腺腫瘍には多くの体細胞突然変異が認められ、腫瘍化の原因となっている。副甲状腺におけるVDRの発現低下は、副甲状腺細胞の増殖能を亢進させることで体細胞突然変異を加速し、腫瘍化に寄与している可能性がある。本研究は、副甲状腺機能亢進症モデルマウスに対し、副甲状腺特異的にVDRをノックアウトすることで、その腫瘍化が加速されるか検討する。副甲状腺の腫瘍化は、現在開発中の「X染色体不活化によるマウス腫瘍解析法」で検出する。副甲状腺組織特異的にVDRをノックアウトするために、副甲状腺組織特異的にCre recombinaseを発現するPTH-Creマウス(PTH-Cre+/-)と、VDR floxマウス(VDRflox/flox)とを交配し、副甲状腺組織特異的VDRノックアウトマウスを得た。当該マウスにおいて、副甲状腺組織特異的にVDRがノックアウトされていることを組織学的に確認し、さらにCaR発現、細胞増殖能についても検討を行っている。
2: おおむね順調に進展している
副甲状腺組織特異的VDRノックアウトマウスを作成し、組織学的検討を行っている。
引き続き組織学的検討を行うとともに、ビスホスホネート製剤等による低カルシウム血症を惹起する予定である。
当初予定していた副甲状腺の組織学的検討がすすんでおらず、研究費に残余が発生した。副甲状腺の組織学的検討を進める予定である。
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