研究課題
原発性及び2次性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺におけるビタミンD受容体(VDR)の発現が低下し、活性型ビタミンDによる副甲状腺ホルモン(PTH)分泌抑制作用、副甲状腺細胞増殖抑制作用が減弱する。副甲状腺腫瘍には多くの体細胞突然変異が認められ、腫瘍化の原因となっている。副甲状腺におけるVDRの発現低下は、副甲状腺細胞の増殖能を亢進させることで体細胞突然変異を加速し、腫瘍化に寄与している可能性がある。一方、治療として摘出された原発性副甲状腺機能亢進症、および2次性副甲状腺機能亢進症における副甲状腺腫瘍において、VDR遺伝子に突然変異が認められないことを、私共は報告している。VDR遺伝子に突然変異が生じてその発現が低下するのではなく、副甲状腺機能亢進症に伴う2次的な副甲状腺の変化によってVDR発現がていかすると考えられる。本研究では、まず副甲状腺組織特異的にVDRをノックアウトするために、副甲状腺組織特異的にCre recombinaseを発現するPTH-Creマウス(PTH-Cre+/-)と、VDR floxマウス(VDRflox/flox)とを交配し、副甲状腺組織特異的VDRノックアウトマウスの作成を試みた。VDR遺伝子の欠失をPCRで確認したが、タンパクレベルでの発現低下は軽度であった。そこで、次にビタミンD代謝に関連のある、メガリンの副甲状腺での発現を検討した。原発性副甲状腺機能亢進症モデルマウスでは、コントロールマウスと比較し、その発現は低下していた。今後、副甲状腺VDR発現と共に、メガリン発現の副甲状腺腫瘍化機構への役割解明が期待される。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件)
Osteoporos Int
巻: 26 ページ: 1053-1061
10.1007/s00198-014-2954-4
巻: 26 ページ: 229-236
10.1007/s00198-014-2843-x
Diabetes Care
巻: 37 ページ: 644-650
10.2337/dc13-1102
PLoS One
巻: 9 ページ: e88704
10.1371/journal.pone.0088704
Endocr J
巻: 61 ページ: 225-230
24335008
J Ren Nutr
巻: 25 ページ: 242-246
10.1016/j.bone.2014.06.026