研究課題/領域番号 |
24591356
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 克哉 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (40344709)
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研究分担者 |
小林 健一 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 健康障害予防研究グループ, 常勤研究員 (00332396)
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キーワード | 甲状腺ホルモン / パルブアルブミン / インターニューロン / 大脳皮質 / 海馬 / 発達 |
研究概要 |
昨年度に引き続いて、得られた結果の再現性を得る目的で対照群、甲状腺機能低下症モデル動物群(胎生17日から生後から2週間の間、抗甲状腺剤を飲水中に溶解させ、摂取した群)、甲状腺ホルモン補充甲状腺機能低下症モデル動物群(出生後から2週の間、チロキシン投与を行った実験群)の大脳皮質および海馬における各種転写因子、神経ペプチド等の遺伝子発現レベルを定量的PCR法により解析を行った。甲状腺機能低下により減弱または増加した遺伝子発現レベルは、外因性に甲状腺ホルモンを補充することで、コントロールレベルまで回復することが再現できた。 また、大脳皮質および海馬におけるパルブアルブミン遺伝子発現(in situ hybridization法)ならびにタンパク質発現(免疫染色法)の解析を行った。大脳皮質および海馬におけるパルブアルブミンの遺伝子ならびにタンパク質発現は、E17から生後から2週間の抗甲状腺剤によって著しく減少するが、視床網様核に存在するパルブアルブミン陽性細胞数は、対照群と何ら変わりはなかった。視床網様核におけるパルブアルブミンの発現は、大脳皮質および海馬より早く、胎生期後期にはすでに観察される。このことから、甲状腺ホルモンはパルブアルブミン陽性ニューロンの成熟過程に関与を示すが、いったん成熟したニューロンにおけるパルブアルブミン発現には影響を及ぼさない可能性が示唆された。現在、パルブアルブミン遺伝子発現ならびにタンパク質翻訳過程への甲状腺ホルモンの直接的な関与についての検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験結果が再現良く得られているため
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今後の研究の推進方策 |
パルブアルブミン遺伝子発現における甲状腺ホルモンの関与が直接的であるか、または間接的であるかを、パルブアルブミン遺伝子上に甲状腺ホルモン応答配列の存在を手だてとして解析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
おおむね計画通りに進行しているが培養実験が次年度に持ち越されているため。 次年度に実施するタイムラプスならびにルシフェレースアッセイに必要な経費として、平成26年度の請求額と合わせて使用する予定である。
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