研究課題/領域番号 |
24591358
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
米田 誠 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (70270551)
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研究分担者 |
篁 俊成 金沢大学, 医学系, 准教授 (00324111)
井川 正道 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (60444212)
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キーワード | 橋本脳症 / 自己抗体 / 血管炎 / 脳血流 / プロテオーム |
研究概要 |
本研究では,慢性甲状腺炎(橋本病)に合併する自己免疫性脳症(橋本脳症)において,病理学的に報告されている脳血管炎に焦点を合わせ,分子病態機序・免疫学的背景を探求するとともに,臨床徴候と局所脳血流の変化を比較検討する.昨年度は,橋本脳症の分子マーカーとして申請者らが同定した抗NAE抗体が陽性である橋本脳症患者7例と年齢と性別を一致させた健常人10名の脳血流SPECTの3D-SSP解析を行い,標準脳との血流の増減を統計学的に比較検討した.その結果,橋本脳症患者では,両側の前部帯状回と左の前頭前皮質に,有意な脳局所の血流低下が認められることが判明し報告した(Eur Neurol 2014;72:13-19). また,分子病態機序の探究の目的では,ヒト脳由来微小血管内皮細胞培養株(TY10細胞)(山口大学神経内科 神田 隆教授との共同研究)を安定的に継代・培養させるシステムを構築し,患者血添加前後でのプロテオーム変化を,蛍光標識二次元ディファレンシャル電気泳動解析(2D-DIGE)法を用いて解析し,有意な変化を示すスポットを見出しMALDI-TOF/MSによる分子決定を進めている. さらに,HLAなどを含む遺伝子背景を探索する目的で,DNAチップによるエクソーム解析(東京都健康長寿医療センター,三重大学との共同研究)を新たに開始し,国内よりのDNAの収集と解析を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
橋本脳症の脳血流SPECTに関しては目標を達成し,論文を掲載した.分子病態研究に関しても,ヒト脳由来微小血管内皮細胞培養株を用いたプロテオーム解析を行い,病態に関連する可能性のある蛋白質の変化を見出した.さらに,DNAチップによる背景遺伝子のエクソーム解析も進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
ヒト脳由来微小血管内皮細胞培養株に橋本脳症の患者血清を添加し,プロテオームの変化を解析し,病態と関連する蛋白質の変化を同定し,血管炎の病態機序を解析する.また,橋本脳症の患者よりDNAをさらに収集し,DNAチップによるエクソーム解析を行い,免疫遺伝子学的背景を解析する.
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養,免疫細胞染色,免疫ブロットに関わる消耗品,抗体等,DNA抽出および解析委料,研究成果の論文や学会発表に関わる諸費用が次年度に予定以上に必要となったため. 細胞培養,免疫細胞染色,免疫ブロットに関わる消耗品,抗体等,DNA抽出および解析委料,研究成果の論文や学会発表に関わる諸費用に使用する.
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