研究課題
本研究では,慢性甲状腺炎(橋本病)に合併する自己免疫性脳症(橋本脳症)において,病理学的に報告されている脳血管炎に焦点を合わせ,分子病態機序・免疫学的背景を探求するとともに,臨床徴候と局所脳血流の変化を比較検討した.橋本脳症の分子マーカーとして申請者らが同定した抗NAE抗体が陽性である橋本脳症患者7例と年齢と性別を一致させた健常人10名の脳血流SPECTの3D-SSP解析を行い,標準脳との血流の増減を統計学的に比較検討した.その結果,橋本脳症患者では,精神症状や記憶障害と関連する両側の前部帯状回と左の前頭前皮質に,有意な脳局所の血流低下が認められることが判明し報告した(Eur Neurol 2014;72:13-19).また,分子病態機序の探究の目的では,ヒト脳由来微小血管内皮細胞培養株(TY10細胞)(山口大学神経内科 神田 隆教授との共同研究)を安定的に継代・培養させるシステムを構築し,患者血添加前後でのプロテオーム変化を,蛍光標識二次元ディファレンシャル電気泳動解析(2D-DIGE)法を用いて解析し,有意な変化を示すスポットを見出しMALDI-TOF/MSによる分子決定した.さらに,ラット脳スライスを用いたパッチクランプ法による検討から,抗NAE抗体を含む髄液が神経伝達を阻害することを見出した(Neurol Clin Neurosci 2015;on-line;東京医大三苫 博教授との共同研究).
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DOI 10.1007/s12311-015-0664-x
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