研究課題/領域番号 |
24591359
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
古屋 文彦 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90456450)
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研究分担者 |
金重 勝博 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (20377518)
小林 哲郎 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30113442)
志村 浩己 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40303416)
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キーワード | 小胞体ストレス / 糖尿病 |
研究概要 |
甲状腺ホルモン受容体ノックアウトマウス、変異甲状腺ホルモン受容体ノックインマウスは甲状腺ホルモン受容体が有する脂質代謝系、糖代謝系に異常が見られた。これらの甲状腺ホルモン受容体変異マウスでは、野生型との比較で、随時血糖値が高値(1.53倍)であり、月齢12以上の「高齢」マウスほど随時血糖値が上昇傾向であった。一方、甲状腺ホルモン受容体変異マウスでは、野生型と比較して、膵臓の形態の変化や、膵臓特異遺伝子(Pdx-1, ISL-1, GLUTなど)の蛋白発現レベルの変化は見られなかった。こうした予備実験の結果は、マウスでの、加齢に伴うある期間の「ストレス」が血糖値上昇の誘因となっており、甲状腺ホルモン受容体の作用の欠損がマウスの糖尿病発症の原因となっている可能性を示唆するものと言える。そこで、今回、膵臓のβ細胞に障害を誘発する機序として小胞体ストレスに注目した。週齢7(若年)の野生型マウス(コントロール群)と遺伝子改変マウスに通常の餌と高脂肪を含有する高カロリー食(日本クレア)を与え、1-6か月飼育し、1、3、6カ月の時点でマウスの膵臓、腎臓、白色脂肪組織、褐色脂肪組織を回収し、それぞれの臓器における小胞体ストレス応答蛋白(PERK、elf2a、ATF4、 CHOP)とその下流にあるアポトーシス関連蛋白(Bcl-2、Caspase)の蛋白発現レベルをwestern blot、蛍光免疫染色法を用いて検討した。また、PERK、elf2a、ATF4蛋白が有するキナーゼ活性につき、kinase assay kitを用いて行った。小胞体ストレスにともなうアポトーシスをTUNEL法を用いて定量的に解析した。甲状腺ホルモン受容体ノックアウトマウスではこれら抗アポトーシス蛋白の発現の低下が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該研究の成果を学術誌に投稿し採択された。 J Biol Chem. 2014 Mar 18. [Epub ahead of print] Impaired oxidative endoplasmic reticulum stress response caused by deficiency of thyroid hormone receptor α Takahashi K1, Furuya F, Shimura H, Kaneshige M, Kobayashi T
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病モデルマウス(db/dbマウス、高カロリー食にて飼育した野生型、甲状腺ホルモン受容体ノックアウトマウス、変異甲状腺ホルモン受容体ノックインマウス)に対し、AdTRを膵臓に局所投与し、膵β細胞における抗アポトーシス作用について評価する。 それぞれのマウスの体重増加の推移、随時血糖値の推移を経時的に評価する。 血糖値、インスリン分泌能検査、耐糖能検査(腹腔内糖負荷試験(IPGT))を行う。 長期間(月齢1カ月から3カ月間、6か月)高カロリー食にて飼育した糖尿病合併症モデルマウスの腎臓における動脈硬化の評価、アミロイド沈着を、尿中アルブミンの定量を行う。 甲状腺ホルモン受容体変異マウスにおいて野生型との比較で、マウスの成長、耐糖能の変化が評価できる。また、長期間の高カロリー摂取に伴う、白色脂肪組織の比較を行うことで、インスリン抵抗性との関連についても検討を行う。AdTRを用いて、糖尿病合併症モデルマウスにおける甲状腺ホルモン受容体の有する抗アポトーシス効果についてin vivoにおいても検討を行う。
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