研究課題/領域番号 |
24591360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
椙村 益久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50456670)
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研究分担者 |
大磯 ユタカ 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40203707)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リンパ球性漏斗下垂体後葉炎モデル / ES-AVPニューロン |
研究概要 |
1.リンパ球性漏斗下垂体後葉炎モデルの作成 コムギ胚芽を用いた無細胞翻訳系で、コムギ胚芽発現用ベクターとして開発されたpEU-E01-MCSにHisタグで標識したベクターを構築し、合成したリコンビナント76kD蛋白と結核菌の菌体成分を加えたcomplete Freund’s adjuvant (CFA)とを混合しエマルジョンを作成しSJL/Jマウスに投与しリコンビナント76kD蛋白免疫動物を作成した。通常1回目は後肢と反対側そけい部に皮下注射し7日後に反対側に投与する。約14日後に採血しELISA法で抗体価が上昇していることを確認した。マウスを安楽死させ採血とともに下垂体組織を摘出し、切片標本を作製した。 2.ES-AVPニューロンの分化誘導 マウスES細胞よりSFEBq/gfCDM法を用い、ES-AVP細胞を含む視床下部前駆細胞を選択的に分化誘導し、分散培養も行った。その培養系で、エレクトロポレーション法やリポソーム法を用いた遺伝子導入による76kD蛋白の過剰発現や、siRNAによるノックダウン実験に成功した。さらにES-AVP細胞でのAVP小胞に蛍光タンパク質を融合させ、time lapseイメージングでAVP小胞の可視化に成功した。また、全反射蛍光顕微鏡を用いた開口放出解析も可能になった。また、タンパク質間相互作用をPull-Down Assay、免疫沈降法で解析した。現在76kD蛋白ノックダウンのAVP分泌に対する影響を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.リンパ球性漏斗下垂体後葉炎モデルの作成 コムギ胚芽を用いた無細胞翻訳系で、合成したリコンビナント76kD蛋白とCFAとを混合しエマルジョン作成に成功し、SJL/Jマウスに投与した結果採血し76kD抗体価が上昇していることを確認することが出来た。マウス下垂体組織の免疫組織化学的検討を行っているが、細胞浸潤が認められ、炎症が惹起されている可能性を得ている。 2.ES-AVPニューロンの分化誘導 マウスES細胞よりSFEBq/gfCDM法を用い、ES-AVP細胞を含む視床下部前駆細胞を選択的に分化誘導し、分散培養も行った。その培養系で、エレクトロポレーション法やリポソーム法を用いた遺伝子導入による76kD蛋白の過剰発現や、siRNAによるノックダウン実験に成功した。さらにES-AVP細胞でのAVP小胞に蛍光タンパク質を融合させ、time lapseイメージングでAVP小胞の可視化に成功した。また、全反射蛍光顕微鏡を用いた開口放出解析も可能になった。また、タンパク質間相互作用をPull-Down Assay、免疫沈降法で解析した結果、76kD蛋白との結合する蛋白が同定できた。
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今後の研究の推進方策 |
下垂体炎組織の免疫組織学的解析をさらにすすめる。FACSも用いながら、リンパ球のたとえばT細胞については、T細胞CD4+CD25+とTh17など、マクロファージ/ミクログリアについては、サイトカイン、ケモカインなどの発現について解析する。また76kD蛋白で免疫した動物の脾臓から取り出したB細胞とミエローマ細胞を融合させた抗体産生B細胞ハイブリドーマを作出し、モノクローナル抗体を得て病態への関与を検討する。 マウスES細胞よりSFEBq/gfCDM法を用い分化誘導したES-AVPニューロンを用い、76kD蛋白ノックダウンのAVP分泌に対する影響を、全反射蛍光顕微鏡を用いた開口放出解析などのtime lapseイメージング、また、Pull-Down Assay、免疫沈降法で検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試薬、実験動物、および実験器具の購入、入手のため105万円を予定している。また、北米神経科学学会参加を予定しておりその費用を30万円、またその他として15万円予定している。
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