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2012 年度 実施状況報告書

機能性RNAにより制御される下垂体内分泌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591363
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

蓮輪 英毅  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (50343249)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードnon-coding RNA / pituitary / ovulation
研究概要

miR-200b,miR-429ノックアウトマウスは排卵不全により雌性の不妊となる。これまでの解析から、抑制型の転写因子であるZeb1遺伝子がmiR-200bとmiR-429の下垂体における標的遺伝子であることを明らかにし、ZEB1による発現制御の破綻が下垂体機能異常による不妊を引き起こしていると考えている。実際に、Zeb1を下垂体前葉のゴナドトロフで強発現させたZeb1トランスジェニックマウスも排卵不全による不妊となる。しかしながら、どのようなメカニズムでZeb1が排卵異常による不妊を引き起こしているのかについては不明である。本研究では、視床下部―下垂体―卵巣系におけるmiRNA-標的遺伝子―高次生命現象の関わりを明らかにするために、miR-200b, miR-429およびZeb1遺伝子に着目し、miRNAが寄与する排卵機能を個体レベルで解明することを目的とする。
miR-200b, miR-429ノックアウトマウスの卵巣には、成熟した卵胞はあるが黄体がなく肥大化した間質細胞が見られる。この形態は、LHサージに異常がある時に起こる特徴的な形態であるため、卵巣切除とエストラジオールを用いてLHサージを誘導し、血中のLHサージが機能しているかどうか調べた。その結果、卵巣を切除したmiR-200b, miR-429ノックアウトマウスではエストラジオールの刺激を入れてもLHは放出されず、排卵を誘発するLHサージ機構に異常があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

24年度の研究計画として、(1)miR-200bとmiR-429の標的遺伝子であるZeb1の下流で機能する生殖内分泌遺伝子群の探索と(2)miR-200bとmiR-429が欠損したマウスに見られる排卵異常にかかわる内分泌異常をより詳細に検討することを目的として研究を進めた。
(1)のZeb1の下流で機能する遺伝子群の解析については、当初予定していたZeb1抗体を用いたクロマチン免疫沈降が機能しないという問題に直面したため、研究の方向を切り替えDNA Chipによる候補遺伝子の選別に切り替えた。その結果、miR-200bとmiR-429ノックアウトマウスではLhbサブユニットの発現が優位に減少していることを見出した。
(2)の排卵機能異常における内分泌異常をより詳細に調べることを試み、LHサージが正常に起きないことを明らかにすることができた。
これらの結果は、当初予定していた研究の目的を十分に達成するだけでなく、別々のアプローチでLHを原因遺伝子として浮かび上がらせることに成功した。

今後の研究の推進方策

昨年度の研究成果をより発展させるために、miR-200b、miR-429がZeb1を通してLhbの発現を制御させるメカニズムの解明に挑戦する。また、miR-300bとmiR-429を欠損させることで見られた排卵不全はZEB1が主な標的遺伝子となっていることは明らかであるが、その他にも標的となり内分泌系を制御し排卵に寄与している遺伝子がある可能性がある。そこで、下垂体におけるmiRNA-標的遺伝子複合体を濃縮する手法を用い、新たな内分泌関連遺伝子の探索を行う。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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